北海道大学では、北極域研究センター(https://www.arc.hokudai.ac.jp)を中心に、北極域に関する自然科学、工学、人文社会科学の研究を進めています。自然科学の観点では、現地に赴いて北極海の海洋・大気・雪氷に関する研究、永久凍土など北極圏の陸域に関する研究、グリーンランドなどの氷河氷床の研究をしています。現地観測のみならず、衛星データや海洋データベースも活用しています。社会工学の観点では、北極海航路などの環境工学、さらに人文社会科学の観点で北極圏先住民の生活に関する研究をおこなっています。なお、北極域研究センターには、低温科学研究所、水産科学研究院、工学研究院、地球環境科学研究院、理学研究院、法学研究科、文学研究科、北方生物圏フィールド科学センター、スラブ・ユーラシア研究センター、アイヌ・先住民研究センターの教員も兼任教員として参画しており、北極に関わる教育研究を部局や専門分野を横断する形で行っています。「北極の海」に関していえば、水産学部では、多くの学部4年生が北極海の物理・化学・生物分野で卒業研究をおこなっています。その研究を発展させるために修士課程、博士課程に進学する学生も多くいます。北海道大学には、様々なルートで北極研究に携わるチャンスがあるので、興味があれば、ぜひ調べてみてください。
また、2020年6月から2025年3月まで約4年半の期間、文部科学省環境技術等研究開発推進事業費補助金事業「北極域研究加速プロジェクト(ArCS II: Arctic Challenge for Sustainability II)https://www.nipr.ac.jp/arcs2/」という北極域研究のナショナルフラッグシッププロジェクトが実施されています。北海道大学は、国立極地研究所,海洋研究開発機構(JAMSTEC)とともにArCS IIで中心的な役割を果たしています。数多くの研究者が、そのプロジェクトゴールである「持続可能な社会の実現を目的として,北極域の環境変化の実態把握とプロセス解明,気象気候予測の高度化などの先進的な研究を推進することにより,北極の急激な環境変化が我が国を含む人間社会に与える影響を評価し,研究成果の社会実装を目指すとともに,北極における国際的なルール形成のための法政策的な対応の基礎となる科学的知見を国内外のステークホルダーに提供すること」に向けて教育研究活動を進めています。