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    • 海洋応用生命科学部門・水産資源開発工学分野・岸村・熊谷研究室の紹介です

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       低利用の北海道産紅藻ダルスを中心に、北方系の紅藻類について研究を進めています。昆布養殖の邪魔物として除去されていたダルスやその他紅藻類に種々の有用生化学成分が豊富に含有されることが分かってきました。このような研究通して、将来の飢餓に備えた食料源の開発、人々を健康にする機能性食品素材の開発に貢献したいと考えています。

       国連では2021年からの10年間を、「海洋科学の10年」に定めて、SDGsに貢献することを目指しています。

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    • 紅藻は日本の近海で多くとれる紅い色が特徴的な海藻のグループの一つであり、多くは低利用水産資源です。ここでは紅藻の有効利用法を探るべく、紅藻中に含まれるフィコビリタンパク質の健康機能性に着目しました。その結果、フィコビリタンパク質から抗酸化作用や血圧上昇抑制作用などの健康機能を確認することができました。


    • 紅藻とは

      紅藻は日本近海で多く採れる紅色をした海藻のグループです。ノリなどの一部を除き、その多くは日本国内では低利用資源でした。近年、タンパク質を多く含む点から、その健康機能が注目を浴びています。特に紅色の由来となるフィコビリタンパク質の機能性に注目が集まっています。


      低利用(未利用)水産資源とは

      一定の資源量を確保できない、利用方法が見いだせないなどの理由から市場価値が低く、多くが処分される水産物のこと。


      研究の目的

      本研究は、低利用資源である紅藻のタンパク質に着目して、ヒトの健康に貢献する成分の探索をしました。紅藻の付加価値の探索によって低または未利用資源の有効利用につなげることを目的としました。


    • フィコビリタンパク質

      フィコビリタンパク質は, シアノバクテリアや紅藻が持つ光合成に関与する集光性タンパク質の総称です。生体内ではα鎖とβ鎖からなるドーナツ状の六量体を形成し、上図のような集合体のフィコビリソームを形成しています。これらは紅藻の赤色の由来となる色素を有しています。ここではこのタンパク質や色素の有する健康機能を探索しました。


    • 抗酸化作用

      抗酸化作用は水抽出したタンパク質とそのペプチドからのみ検出されました。異種発現したフィコビリタンパク質には発色団が存在しないため、抗酸化作用を示す物質は発色団であることが示唆されました。紅藻から単離したPEPCの抗酸化作用は発色団の数が多いPEの方が強い結果となりました。したがって、紅藻タンパク質の抗酸化作用は発色団に由来し、その数が多いほど作用は強力になると予想されました。





    • 血圧上昇抑制作用

      血圧上昇抑制作用は、タンパク質の状態では効果が弱く、紅藻からの水抽出物または異種発現系より得られたPEに問わず、ペプチドに強いACE阻害効果があることを示しました。


      • 発色団の大量調製法の開発

      • 紅藻タンパク質に含まれるACE阻害ペプチドの探索


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