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    • コンブのネバネバ(アルギン酸)で実験をしましょう!

      下の写真は、ネバネバが特徴のガゴメコンブです。ガゴメコンブを切断して水に浸すと、ネバネバ(アルギン酸の粘性液体)が流れ出ます。そのネバネバ(おもにアルギン酸)は、カルシウムイオン(Ca2+)と出会うと、固体(粒子)になります。その様子を、実験で確かめましょう。人工イクラを作ることで有名な実験です。(小中学生向けですが、高校生や大学生・一般の方も楽しめると思います)



      コンブのネバネバ(アルギン酸)の説明はこちら

  • コンブのネバネバ(アルギン酸)の実験では、電子レンジやフライパンでの加熱は禁止です。発泡・破裂して危険です。アルギン酸は粘性が高い・アルギン酸カルシウムは水に溶けないので、シンクに流すと配管を詰まらせる可能性があります。手順⑥を経て、アルギン酸カルシウムの塊を作り、その塊を燃えるごみとして捨てること。もしくは、コップAとコップBの液体を、それぞれ別に、多めの水(3リットル以上)で溶かしてから、シンクへ流し捨てること。下へスクロールすると、注意書きがあるので、理解してから実験をやってください。

    • 実験手順①~⑥のイラスト

       (応用実験のヒントはこのページの下の方にあります)


    • 実験手順

      下方に注意書きがあります。保護者が読んで、理解したうえで以下の実験をやってください。

      用意する物:

      ・水産科学館で配付の(A)アルギン酸ナトリウム 1g (B)乳酸カルシウム 2 g

      ・実験用の粉(持ち帰り用) ・コップ2つ(それぞれ、コップA、コップBとする)

       ・計量カップ ・小さめの鍋かボール 

       ・絵の具(あれば) ・スプーン2つ


    • 手順(実験時間 30分くらい)

      電子レンジやフライパンでの加熱は禁止です。発泡・破裂して危険です。

      ① コップAに水道水を100 mL、コップBに水道水を200 mL入れる。

      ② 袋入りの「A:アルギン酸 Na(ナトリウム)」の粉を全部コップAの水に入れる

       片方のスプーンAで混ぜる。溶けにくいので、塊をスプーンでつぶすように混ぜる。1分置いて再び混ぜる。これを10分くらい繰り返して、完全に溶かす。

        電子レンジ等で加熱しない。沸騰すると発泡します。

      ③ 袋入りの「B:乳酸Ca(カルシウム)」の粉を全部コップBの水に入れる

         もう片方のスプーンBで混ぜる。

      (スプーン2つは、それぞれのコップ専用にする。)

       (絵具で色を付ける人は④をやる。色付けしない人は④を飛ばして⑤の指示へ)

      ④ コップAのアルギン酸ナトリウムの液体に、赤や青など色を付けたい場合、その色の数だけコップA青、コップA赤などを用意する。コップAのアルギン酸ナトリウム液をコップA赤やコップA青に分け入れる。好きな色の絵の具を少し(5 mmくらい)コップA赤やコップA青に入れる。絵の具の量は最初は少なめにして、混ぜながら、量を加減する。

      ⑤ コップAのアルギン酸ナトリウムの液をスプーンですくって、一滴ずつコップBの液体に落とす。

        ➡ コップBの中に、プヨプヨした球体ができたかな?

      ⑥ プヨプヨ球体を触って満足したら、鍋やボールに、コップA(アルギン酸ナトリウム)とコップB(乳酸カルシウム)の両方を全部入れて混ぜる。鍋のなかで、塊が硬くなるまで、手やスプーンで混ぜる。アルギン酸カルシウムの塊を燃えるゴミで捨てる。(アルギン酸をシンクに流すと、配管を詰まらせる可能性。もしくは、コップAとコップBの液体を、それぞれ別に、多めの水(3リットル以上)で溶かしてから、シンクへ流し捨てること) (実験おわり)

    • 実験手順書です。注意書きがあるので、必ず読んでください。

      手順イラストの下にも、手順を記しました。

    • 1.配布したアルギン酸ナトリウムの粉と、乳酸カルシウムの粉は、食品添加物として入手したものです。人体には無害ですが、配布する段階で衛生管理をしていないので、食品として口には入れないこと

      2.電子レンジやフライパンで加熱しない。この実験で作ったアルギン酸カルシウム(プヨプヨ球体など)をオーブンやホットプレートで加熱すると(100℃以上にすると)、アルギン酸カルシウムが爆発します。破片が飛び散って事故(怪我)になる可能性があります。安全のため70℃以上には加熱しないこと(アルギン酸カルシウム粒子の隙間にある水が蒸発して、粒子の殻が破裂するから)

      3.実験で使ったアルギン酸ナトリウムの液や、乳酸カルシウムの液は、多めの水道水で流して捨てられます。アルギン酸カルシウムの粒子は、水に溶けないので、配水管を詰まらせる可能性があります。手順④を経て、アルギン酸カルシウムの塊を燃えるゴミで捨てること

      4.実験の液体が目に入ったら、流水で目をよく洗ってください。目に異常が感じられる場合は医師に診てもらうこと


    • 応用実験のヒント(以下、順番にやらなくてよいです)

      1.アルギン酸は褐藻類(コンブやヒジキ、ワカメなどの褐藻類)に含まれます。乾燥昆布を割って水に浸すと、アルギン酸が染み出るので、その液体を使っても、同様の実験ができます。乾燥コンブ10 g中にアルギン酸は2 gほど含まれます。(水でゆでた後の乾燥ワカメでは、アルギン酸が流出してしまっているので、実験には不向き)

      2.配布した乳酸カルシウムの代わりに、融雪剤として使われる塩化カルシウムを水に溶かしても実験ができます。塩化カルシウムを使うと、高濃度のカルシウム水溶液を作れます。ただし、塩化カルシウム溶液を触ると、肌が荒れるので注意が必要

      3.保護者と一緒に海の水をペットボトル(500 mLや1.5 L)に入れて持ち帰ってください。海水が手に入らなければ、精製塩ではなく、自然塩(成分表示を見て、カルシウムが入っていることを確認)を水に溶かしてください。おもて面の手順④で、コップAのアルギン酸ナトリウムに色を付けたなら、その液体を少量(小さじ半分くらい)ペットボトルに入れて、海水と混ぜてください。色付き粘性液体が水と混ざって見えなくなってしまいそうですが、海水中のカルシウムと結合すると粒子化して、モヤモヤ状になります。そのような、マリンスノー様の無色の粒子が、海にもあると思われます。塩水(精製塩)で同様の実験をやっても、モヤモヤ状にはならないでしょう。カルシウムが無いからです。

      4.ペットボトルに水や海水を入れ、コップAのアルギン酸ナトリウムを少し入れます。パウダー状の煮干し粉(ほんの少し)、牛乳(ほんの少し)、みそ汁のカスなどを加えてみましょう。どのような沈殿物ができるか観察してください。(少しずつ加えるのがコツ)

      5.基本実験の手順④では、絵の具を混ぜました。アルギン酸を使った人工イクラを作る実験では、食紅(赤)を使います。絵の具と、食紅では、アルギン酸の着色の具合がずいぶん違うと思います。どのように違うのか、試してみましょう。

      6.「アルギン酸ナトリウム」の粉は、ネットで購入できます。ネバネバの達人になってください。


    • コンブのネバネバ(アルギン酸)実験の記録(例)

      (自宅学習や自由研究で実験をしたら、以下のように記録するとよいです。ご自分のノートに記したり、パソコンで入力して印刷するとよいでしょう)


      実験日    年  月  日   実験者氏名        実験場所      

      実験目的:コンブには粘性物質が多く含まれる。これは、アルギン酸という炭水化物の一種である。コンブ体内では、アルギン酸ナトリウム(やアルギン酸カリウム)の粘性液体として存在する。このアルギン酸ナトリウムが、海水に流れると、海水に含まれるカルシウムイオンと結合して、アルギン酸カルシウムの固体になる。この化学変化を実験で再現し、アルギン酸の形や硬さなどの変化を確かめる。

      実験道具

      ・アルギン酸ナトリウムの粉(1 g:配布された1袋分)・乳酸カルシウムの粉(2 g:配布された1袋分)

      ・コップ2つ  ・計量カップ ・小さめの鍋  ・絵の具(あれば) ・スプーン2つ


      実験手法
      ① コップ2つにそれぞれ、水道水を100 mL入れた。片方をコップA、もう片方をコップBとする

      ② 袋入りの「A:アルギン酸 Na(ナトリウム)」の粉を全部コップAの水に入れた。片方のスプーンAで混ぜた。溶けにくいので、塊をスプーンでつぶすように混ぜる。1分置いて再び混ぜた。これを10分くらい繰り返して、完全に溶かした。

      アルギン酸の液体は沸騰すると発泡するので、電子レンジ等で加熱しないことが大事である

      ③ 袋入りの「B:乳酸Ca(カルシウム)」の粉を全部コップBの水に入れた。もう片方のスプーンBで混ぜた。(スプーン2つは、それぞれのコップ専用にする必要がある。)

      ④ コップAのアルギン酸ナトリウムの液体に、好きな色の絵の具を少し(5 mmくらい)コップA赤やコップA青に入れた。絵の具の量は最初は少なめにして、混ぜながら、量を加減した。

      ⑤ コップAのアルギン酸ナトリウムの液をスプーンですくって、一滴ずつコップBの液体に落とした。

      ⑥ 鍋に、コップA(アルギン酸ナトリウム)とコップB(乳酸カルシウム)の両方を全部入れて混ぜた。鍋のなかで、塊が硬くなるまで、手やスプーンで混ぜた。


      実験結果

      1.アルギン酸ナトリウムをコップの水に入れて、完全に溶かすまでの様子

      (どのように、何回混ぜたのか。色や硬さの変化などを記す)


      2.アルギン酸ナトリウム液体(コップA)を乳酸カルシウム液体(コップB)に1滴ずつ落とした時の様子

      (どれくらいの大きさか、どのような形か、沈んだのか、浮いたのか。何個作ったのか。色などを記す)


      3.アルギン酸ナトリウム(コップA)と乳酸カルシウム(コップB)を混ぜたときの様子

      (混ぜた直後の様子、どのように混ぜたのか、硬さがどのように変化したのかを記す)


      4.コンブやアルギン酸について調べたこと

       (天然コンブや養殖コンブについて、コンブの生態について、コンブの栄養や健康について、コンブのアルギン酸について、アルギン酸の化学変化について、調べたことを記す)