コンブのネバネバの正体はアルギン酸です。「酸」と言っても、塩酸や硫酸のような酸ではありません。炭水化物の一つです。炭水化物とは、炭素、水素、酸素で構成される有機物の総称です。アルギン酸は、マンヌロン酸やグルロン酸が沢山連なった高分子有機物です。下に、マンヌロン酸の化学式や構造を示しました。アルギン酸やマンヌロン酸には、-COOH基がついていて、このHが液中のナトリウムイオンと交換すると、水中に水素イオン(H+)が放たれます。すると、酸性を呈するので、アルギン酸とか、マンヌロン酸と呼ぶのです。コンブ体内では、既にイオン交換したアルギン酸ナトリウムなどとして存在するので、私たちが想像する、すっぱい「酸」の性質は示しません。
アルギン酸は化学的には「多糖類」に分類されます。糖類と言っても、多くの生き物は、アルギン酸を消化してエネルギー源に利用することができません。そのため、栄養的には、アルギン酸を「食物繊維」といいます。
