「おしょろ丸」には4台の観測用ウインチが搭載されており、それぞれNo.1からNo.4までの番号で呼び分けられています(表1)。すべてのウインチは、端艇甲板後部にあるウインチコントロールルーム(図1-⑭)で遠隔操作することができます。No.1ウインチ(図1-①)は後述するAフレーム(図1-⑤)を使った観測に使用されるもので、大きな荷重のかかる観測にも耐えうるよう、4つのウインチの中でもっとも丈夫なワイヤロープが巻き込まれています。No.2ウインチ(図1-②)とNo.3ウインチ(図1-③)には共にアーマードケーブル(同軸ケーブルを鋼線で被覆したもの)が巻き込まれており、主にCTD採水システムによる観測に用いられます。アーマードケーブルに接続された機器は、そのすぐ隣に設置されている多関節クレーン(図1-⑦)で吊り上げられ、左舷側から海中に投入されます。No.4ウインチ(図1-④)は汎用の観測用ウインチで、プランクトンネットや小型の採泥器などによるサンプリングに使用されます。
いずれのウインチも長さ7000-8000mのワイヤロープ(あるいはアーマードケーブル)を装備しており、北太平洋であれば一部の海溝部分を除くすべての海域において観測機器を海底まで到達させることができます。