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    • このページでは、授業の見やすい概要と関連するリンクを示します。
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    • コース構築中(20200902)

    • 健康と社会 

      魚を食べる


      我々は、日常生活において食物を食べなければ生きていけない従属栄養生物です。海や川に恵まれる我国では、昔から水産物が重要な食料源となっています。
      本授業では、魚を食べることの意義と我々の健康維持・増進との関係について理解を深め、食生活の楽しみを増やすことを目標とします。



      魚を食べる意味と背景、水産物利用の歴史と将来、健康増進への貢献などをそれぞれの担当教員の専門分野から講義を行います。これらの講義を通して、食生活を取り巻く諸問題の広がりを理解することが必要です。水産物利用の現状を理解して、健全な食生活の維持・向上に役立ててください。





      水産学部教員および外部講師が、オムニバス形式で講義を行います。
      各講義毎に、小テストあるいは小論文作成を行います。


      ■各講義の内容                    
      •水産食品の加工技術 -食文化とのかかわり-
      •生鮮魚介肉の鮮度判定と保蔵技術
      •低未利用水産資源の有効活用 -鮭節の実用化-
      •海藻の食文化と機能性
      •魚介類のタンパク質,ペプチドの機能性
      •魚油の健康機能
      •海の多糖と機能性
      •養殖魚と天然魚の機能性
      •安全な魚を育てる
      •水産物のアレルギー
      •水産食品と食中毒
      •海洋生物の毒
      •海からやって来る小さな魔物 -コレラと腸炎ビブリオ-
      •北海道の水産加工の現状と安全


    • 担当教員:細川 雅史

    • 海藻に特徴的な栄養成分を理解し、健康機能を考える


    •                           

                ◆海藻の栄養成分組成◆

          


    •   (1)炭水化物、特に食物繊維が豊富に含まれる

        (2)紅藻はタンパク質(含窒素化合物)の含有率が高い

        (3)無機質(ミネラル)含量が多い

        (4)陸上植物とは異なる特徴的な脂溶性成分を含む


    •                


       ◆褐藻に特徴的に含まれるフコキサンチン◆



    •  

              


        ◆褐藻に特徴的に含まれるフコキサンチン◆












    • 担当教員: 岸村 栄穀
    • タンパク質って?

      ◆ タンパク質って?

      ・アミノ酸が沢山つながって、立体構造を形成しています。

       コラーゲンの立体構造が加熱で壊れると

                ・・・ ゼラチンになります。



    • ◆ 生体内でのタンパク質の機能

      ・生物の主要な構成成分で、生体における種々の機能を維持、発現しています。

         例えば ・・・ 筋肉、酵素、ホルモン、抗体、機能性ペプチド など


    • ◆ タンパク質を多く含んでいる海藻もあるのですよ!

      ・紅藻類の一種である「海苔」や「ダルス」には、乾燥重量の約40%もタンパク質が含まれています。



    • 関連コース:紅藻ダルスのミトコンドリアゲノムおよび葉緑体ゲノム解析と健康機能性

      https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/course/view.php?id=93

      関連コース:tagged with ダルス

      https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/tag/index.php?tc=1&tag=%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%B9&from=1321


    • 私たちの食生活と水産物


      日本人はタンパク質摂取量の約23%、動物性タンパク質の約40%を水産物に依存しています。


      ◆ 栄養源として摂取 (一次機能):様々な魚介藻類、良質なタンパク質(必須アミノ酸)

      ◆ 様々な製品 (二次機能):刺身、干物、鮨、加工品など


      ◆ 新たな機能性 (三次機能):魚肉のコレステロール低下作用、魚肉ペプチドの血圧低下作用、タウリンの種々の機能


    • 担当教員: 安藤 靖浩
    • 魚に含まれる機能性成分EPA・DHA量はどのくらいなのか?


       推奨値を満たすにはどの位食べればよいのか


      天然魚 vs 養殖魚 EPA・DHAが多いのはどちら?


       筋肉中のEPA+DHA量を比較すると・・・


      この回では海産魚の機能性成分として有名なEPAとDHAについて取り上げます。と言っても、ヒトに対してどんな機能があるかではなく、魚に入っているこれらの量のお話です。EPA、DHAを含めた油分の分析が水産学部での私の専門領域です。

    • EPA+DHA 1g に相当する可食部の量


          EPA+DHA 1g を含む魚介類可食部(生)の量(g)

             日本食品標準成分表(七訂)より算出


      EPAとDHAを一日にどれくらい摂取すればいいのか、推奨値というものがあります。日本ではEPA+DHAの合計で1gとされています。このグラフは、この1gを含む魚の可食部の重量を示したものです。魚種によって大きな違いがあることが分かります。魚を選ぶときの参考にしてみてください。ただし、同じ魚種でも部位によって違いがあり、また季節や海域によって大きく変動することが知られています。

    • 天然魚と養殖の比較筋肉中のEPA+DHA量




            筋肉中のEPA+DHAの量(g/100 g)

               日本水産油脂協会『魚介類の脂肪酸組成表(1989年)』より概算を算出


      これは天然魚と養殖魚の筋肉100gに含まれるEPA+DHAのおよそのg数を示したものです。意外かも知れませんが、たいていは養殖魚の方に多く含まれています。なぜでしょう? 授業ではその仕組みも含めて解説します。

    • 担当教員: 関 秀司
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    • 担当教員: 佐伯 宏樹
    • 魚類に含まれるアレルゲン


      タラ サケ マグロ イワシ カレイ サバ ブリ など


      パルブアルブミン

      筋肉中に存在するタンパク質.
      カルシウム調節に関与 

          ↓
      魚種間での交差性は?


      コラーゲン
      日本の魚類アレルギー患者の1/3程度(濱田, 2005)

          ↓
      畜肉(含ゼラチン)との交差性は?


      交差性の成立:ある物質によって感作されることで,構造が類似した 他の物質でもアレルギー反応をおこすようになる状態.(しらかば花粉とリンゴ,サクランボ,桃)


      コラーゲンの両端には、コラーゲンの主たる抗原部位であるテロペプチドが存在する。この部分を酵素処理で取り外すと、コラーゲンの抗原性が極端に低くなる。

      これをアテロコラーゲンと呼び、医療用のインプラント材料や組織工学用の足場材料に応用されている。また、一部の化粧品にも利用されている。

      コラーゲンは3本の分子量95,000のポリペプチド鎖(ペプチドとはアミノ酸が2〜50個結合したもので、アミノ酸が50個以上結合したものをポリペプチドと言います)が右巻きに絡み合った3本鎖だ。


    • トロポミオシンを介した無脊椎動物のアレルギー交差性




      ◆主要アレルゲントロポミオシンの広範なアレルゲン交差性に注意
      ◆ハウスダスト(ダニ,昆虫)による感作
      アレルゲン交差情報は,食事指導を通して患者のQOL向上に貢献する.

    • アレルギー表示制度にもとづいた加工食品の注意表示



    • 担当教員: 山﨑 浩司
    • 水産食品と食中毒

      講義の内容

      1.日本における食中毒発生状況
      2.水産食品で問題となる食中毒菌の種類と特徴
      3. 微生物性食中毒を予防するには……



    • 食中毒患者数(原因物質別-微生物)






    • 水産食品に関連する主な危害因子


      微生物
         - Vibrio parahaemolyticus (腸炎ビブリオ)
         - Clostridium botulinum(ボツリヌス菌)
         - Listeria monocytogenes (リステリア)
         - Histamine-producing bacteria (ヒスタミン産生菌)
         - ノロウイルス         - A型肝炎ウイルス


      寄生虫
         - アニサキス (Anisakis sp.)    - 日本海裂頭条虫(サナダムシ)
         - クドア・セプテンプンクタータ


      自然毒
         - フグ毒         - 麻痺性解毒 (PSP)
         - 下痢性解毒 (DSP)        - シガテラ (Ciguatoxin)


      化学物質
         - 農薬(殺虫剤など)        - 抗生物質       - 汚染物質
      アレルギー物質 ヒスタミン


    • 担当教員: 藤田 雅紀
    • 海洋生物の毒


      1:(食用)海洋生物の毒成分について知る

        


      2:自然毒による食中毒とその対策について知る

       


      3:海洋生物の毒成分と薬の関係について知る

        



      海洋生物の毒の講義目標です。食用となる海洋生物にも有毒なモノや、条件により毒化するものがたくさんいます。それらの毒成分や毒化する理由、さらに食中毒の機構や対策を知るのが目的です。また、海洋生物の毒には薬になっているものもあります。


    • フグ毒



      海洋細菌が生産し、食物連鎖でフグに蓄積すると考えられている


      貝毒




      下痢性・麻痺性・記憶喪失性・神経性貝毒がある。全て植物プランクトンが生産し、二枚貝に蓄積する。


      フグのテトロドトキシンは毎年のように死亡例が報告される自然毒です。ナトリウムチャネルの阻害により、呼吸が麻痺し死亡します。様々な生物が含有していますが、本当の生産生物は未だ不明です。貝毒は様々な化合物の総称です。下痢から神経障害まで様々な毒性を持ちます。北海道ではほぼ毎年、二枚貝の毒化が発生しており、出荷制限がかかっています。






    •  


       海洋生物はで身を守っているものが多い(化学防御)

               

       海洋生物はになる






      海洋生物由来の医薬品(抗がん剤等)やその候補物質


      海洋生物には毒をもつものが非常に多いです。これは動きが遅く柔らかい海洋生物が毒で身を守っているからです。したがって、これらの多くは食用ではありません。ただ、毒と薬は使い方が異なるだけで生体にとって同じ作用を示す物質です。それゆえ、海洋生物は医薬資源として有望なものが多いです。

    • 担当教員: 熊谷 祐也
    • 講義の内容
      1.身近にある多糖
      2.海藻に特徴的な多糖
      3.新たな海藻多糖とその機能性

      我々の身近な多糖としてグルコースが連なった澱粉やセルロースがあります。


      グルコース,アミロース,セルロースの化学式とパン,ノート(紙)の画像

    • 海藻は上記の多糖以外に、様々な機能性を持つ多糖を有しており、我々の生活に深く関わっています。


      ✓ 褐藻
        アルギン酸、フコイダン、ラミナリン


      ✓ 紅藻
        カラゲナン、寒天


      ✓ 緑藻
         β(1→3)キシラン


       



          

               寒天(アガロース)

    • 紅藻は世界で7,000種以上に分類されています。
      独自の進化を遂げた紅藻には珍しい多糖があります。
      我々はその多糖から新しい機能性を調べています。
      最近の研究について紹介します。



    • 関連コース:低利用資源・紅藻から新たなオリゴ糖調製法の開発

      https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/course/view.php?id=94

      関連コース:tagged with ダルス

      https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/tag/index.php?tc=1&tag=%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%B9&from=1321