海洋の酸素(概要)

 海洋に膨大に存在する二酸化炭素と水のうち、ごく一部を海洋植物が光合成に利用して有機物を合成し、ひきかえに酸素分子(O2)を吐き出しています。いっぽう動植物は呼吸により酸素と有機物を消費して、二酸化炭素と水を吐き出しています。また、海水中の酸素の大部分が大気から吸収したものであることに、注意してください。

 



 光合成で酸素が発生するのは太陽光が届く表層付近に限られます。いっぽう、有機物を分解するバクテリアは表層から深層まで生息するので、呼吸で酸素が消費されるのは至るところです。酸素生産量(光合成)が消費量(呼吸)を上回る層を有光層といいます。また、海洋表層混合層は大気と接しているので、大気と海洋間で酸素や二酸化炭素が速やかに交換します。したがって、混合層水中の酸素濃度は大気とほぼ平衡にあるとみなされます。大気と平衡にある表層混合層の水に含まれる酸素の量は多くても0.3 mmol kg-1弱で、全炭酸ほど膨大にあるわけではありません。すると、有光層より深い中深層で呼吸により酸素が消費され続ければ、いずれ酸素が枯渇してしまうのではないかと心配されます。実際には殆どの外洋の深層で酸素が枯渇するには至らないのですが、有機物の供給が多い閉鎖系水域の底層部では貧酸素状態になり底生生物が死亡するなど漁業被害がしばしば報告されます。






Last modified: Wednesday, 20 May 2020, 7:41 AM