マリンバイオマスの探索と利用 Search for Functions and Utilization of Marine Biomass
授業内容
海洋は,地球表面の約70%を占めている。その海洋に存在する豊富な生物資源には,陸上の動植物資源にない優れた特性をもつ成分や多様な機能を有するものがある。これら成分や機能特性は,食品産業だけでなく,工業,医薬品等の分野に活用され,我々はその恩恵を受けている。
本授業では、水産生物資源の機能特性と高度利用技術,未利用資源と廃棄物の有効利用,環境保全に対応する新技術などをそれぞれの専門分野の最新知見を交えながら,概要をオムニバス形式で講義する。これらの講義を通して,水産生物資源利活用と人間生活との関わりと重要性を認識する。さらに,水産生物資源利活用の現状と問題点を理解するとともに,その可能性について考える。
キーワード: 生物資源,資源利用,機能性,マリンバイオマス,環境保全,マリンバイオテクノロジー,有効利用,高度利用,ゼロエミッション
講義タイトル
1.水産資源の高付加価値化
2.水産生物資源を有効利用するための保蔵技術
3.北海道の未利用・廃棄水産資源
4.水産廃棄物の再資源化-未利用生物とその内臓
5.魚の骨の利用研究
6.海洋生物に薬を求めて
7.魚醤油の発酵生産技術
8.水産資源と未病
9.マリンカロテノイドの健康機能
10.水産物の非食用化学品としての利用
11.水産生物の脂質の構造・組成と分析
12.水産資源の有効利用と分離工学
13.バイオマス・バイオプロダクトの分離操作
14.マリンバイオマスとエネルギー
15.遺伝資源としての海洋生物
代表教員
川合祐史(北海道大学大学院水産科学研究院)
参考図書
島 一雄 他(編) (2012). 「最新 水産ハンドブック」, 講談社, 東京.
坂口守彦, 高橋是太郎(編)(2011). 「農・水産資源の有効利用とゼロエミッション」, 恒星社厚生閣, 東京.
Tu, A.T., 比嘉辰雄(2012). 「海から生まれた毒と薬」, 丸善出版, 東京.