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TEP(Transparent Exopolymer Particle):透明細胞外重合粒子は酸性多糖類でできています。以下で説明するように、藻類はTEPを産生して身にまとい、脱ぎ捨てていると考えられます。
TEPに付着したピコプランクトンを餌とするウナギ仔魚
貧栄養の亜熱帯海域表層には、光合成細菌のシアノバクテリア、プロクロロコッカスやシネココッカスが優占して生息しています。サイズは0.2~2 μmと、最も小さな基礎生産者です。このサイズのプランクトンをピコプランクトンとも呼びます。シネココッカスについては、単独でTEPを放出して凝集体(aggregate)を作ることがわかっています(Cruz and Neuer, Frontier in Microbiology, 2019)。
ウナギは太平洋の亜熱帯域で産卵して、仔魚は、貧栄養の亜熱帯海域のクロロフィル極大層の直下を回遊していると考えられています。その層には、表層で生産された植物プランクトン由来のTEPが多く浮遊しています。
ウナギ仔魚の消化管内を調べると、TEP様のゲル物質に加えて、ピコ植物プランクトン様の蛍光性粒子も多数見つかりました。(光合成細菌のピコ植物プランクトンは光合成色素を持つので、ある波長の光をあてると、違う波長の光、蛍光を発します)
ピコ植物プランクトンは、亜熱帯海域の主要基礎生産者です。細胞膜はタンパク質で構成されるなど、小さいけれど栄養価は豊富です。しかし、細胞サイズが1~2μmくらいと、とても小さいので、従来の研究ではピコ植物プランクトンを捕食するのは原生動物くらいだと考えられていました。
海洋表層を浮遊するTEPにピコ植物プランクトンが付着して、それが表層直下でも高密度で存在します。太平洋の亜熱帯でウナギ仔魚を採取して、消化管内を調べたところ、TEP由来と思われるゲル状物質とピコ植物プランクトンと考えられる蛍光性粒子が多く見つかりました(友田ら, 2015)。
「ウナギ仔魚はマリンスノーの起源物質を摂取する」友田ら, 日本水産学会誌, 81, 715-721 (2015)
友田ら, (2015)によると、これが貧栄養のウナギ仔魚の重要な餌資源であることを示唆しています。ウナギの完全養殖で問題となる、仔魚期の飼育方法にも重要なヒントを与えるとも述べています。
友田ら, (2015)は、水産学会誌での発表なので、水産学の観点から注目していますが、私が専門とする海洋学の観点からは、貧栄養海域における物質輸送メカニズムについての新たなルートを示していて、大変興味深いところです。海洋を漂うTEPには、他の有機物粒子(動物プランクトンの糞など)を付着して、微生物も数多く生息しています。微小動物にとっての貴重な餌資源と考えられます。ウナギ仔魚の消化管には、TEP様のゲル状物質が多くみられます。
ウナギ仔魚は、クロロフィル極大層の直下に高密度で存在します。その層には、表層で生産された植物プランクトン由来のTEPが多く浮遊しています。ウナギ仔魚の消化管内には、TEP様のゲル物質に加えて、ピコ植物プランクトン様の蛍光性粒子も多数見つかりました。ピコ植物プランクトンは、亜熱帯海域の主要基礎生産者です。細胞膜はタンパク質で構成されるなど、栄養価が豊富です。しかし、細胞サイズが1~2μmくらいと、とても小さいので、従来の研究ではピコ植物プランクトンを捕食するのは原生動物くらいだと考えられていました。本研究により、海洋表層を浮遊するTEPにピコ植物プランクトンが付着して、それが表層直下でも高密度で存在し、ウナギ仔魚の餌になっていることが考えられました。
海洋物質循環を考えるうえでも、大変興味深い研究だと思いました。
ウナギ仔魚による、ピコ植物プランクトンの被食の話題に触れました。「ピコ植物プランクトン」といえば、東京大学の佐藤光秀先生です。佐藤先生の日本語論文を紹介します。ピコ植物プランクトンの被食について、詳しく書かれています。
マリンスノーを発見して、命名したのは、北海道大学水産学部の井上博士です。その経緯を少しばかり紹介します。
1941年くろしお号
マリンスノー
海の深いところには、多量の粒子が漂っている層があります。生物生産性の高い沿岸域であれば、海底付近に近づくほど、その粒子が多くなるようすがみられます。光を当てて見てみると、まるで雪のようなので、このような粒子を”マリンスノー”とよびます。マリンスノーが一斉に沈降することもあるそうです。
下の動画は、おしょろ丸航海にて、北部ベーリング海でマルチプルコア観測(※)をしたときに撮影した海中の様子です。浅い陸棚域で、海底の深さが45 mです。白いツブツブがマリンスノーと呼ばれている、粒子状有機物です。こんなマリンスノーでいっぱいの底層水をボトルに採取し、船上でビーカーに入れても、全くの透明にしか見えません。不思議なものです。ビーカーではマリンスノーが見えない理由(著者大木の勝手な想像)を二つ紹介します。
1:観測で使う採水器の蓋を閉めた振動、採水器のコックから水を出したときの流れにより、粒子が一瞬で粉々になり見えなくなる。
2:真っ暗なところで光を当てると、光を反射させる粒子だから、明るいところではマリンスノーは見えない。
(1と2の仮説が検証されたことは、(私が知る限り)ありません。誰か、確かめてみてください)
棘皮動物の「カシパン」は、北海道周辺にも生息するそうですが、ベーリング海北部にも沢山います。ベーリング海陸棚が全て「カシパン」に覆われているのではありません。あるところは「カシパン」、あるところは「クモヒトデ」、あるところは「一見、生物があまりいないように見える」など、(たぶん)パッチ状に様子が異なります。 なぜ「カシパン」って名前? 美味しそうな形をしているからです。
※ マルチプルコア観測: 堆積物をコア状に何本もマルチに採取する観測のこと太平洋の水の一部は、ベーリング海陸棚域を北上して、チャクチ海(北極海)に入ります。
北極の海を知ってください。