섹션 개요

    •  VMPSのシステム構成を図2に示します。VMPSは海中を移動させてプランクトンを採集する「水中局」と水中局への電源供給や電気信号の送受信を行う「船上局」、両者を電気的に接続するケーブル類で構成されます。

       水中局を海中で昇降させるための「アーマードケーブル」は同軸ケーブルの外側を鋼線で被覆した特殊ケーブルで、CTD採水システムによる観測に用いられるのと同じものが流用されます。アーマードケーブルは専用の巻上機(ウィンチ)に数千メートル巻き込まれています。水中局からケーブルを通じて送られてくる計測値は船上局のモニタ上にリアルタイム表示されます。また、ネットを開閉させるためのトリガ信号も同様にアーマードケーブルを通じて船上局から水中局へ送られます。


    • VMPS システム構成図

      図2 VMPS システム構成図


    • (1)-1 水中局 

       水中局の詳細を図3に示します。水中局はナイロンメッシュの網地を縫い合わせて作られた複数枚のプランクトンネットと、その網口を固定する四角形の金属製フレームとからなり、フレームには水中局の制御装置や現場の深度・水温・塩分を計測する水中センサ、ろ水計が組み込まれています。

       フレームの上面に接続された4本のワイヤロープ(ブライドルワイヤ)で水中局を曳網します。フレームの下面に接続したロープ(力綱)には、水中局を沈降させるための重錘を吊り下げます。ネットの最下部(コッドエンド)は治具で束ねたうえで力綱に繋ぎ留めておきます。そうすることでネットのねじれや吹き上がりを防ぎ、曳網中のネットの形状が適切に保たれます。フレームからネットを容易に着脱できる仕組みになっており、調査の目的に合った目合いの網地に交換することができます。

    • VMPS 水中部の構成

      3 水中局の構成

    •  水中局の制御装置の写真を図4に示します。制御装置はネットを開閉させる機構(図4-a:ネット開閉装置)と各種制御基板や電源装置が収められた金属製の耐圧容器(図4-b: 水中チャンバ)で構成されます。「ネット開閉装置」はネットを開閉させる引き金(図4-a1:トリガ)とそれを作動させるためのモータ(図4-a2:トリガ用モータ)、海中でネットが正常に開閉されたことを検知するセンサ(図4-a3:ネット開閉検知センサ)からなります。「水中チャンバ」は船上局から送られてくるネット開閉信号に応じて「ネット開閉装置」を制御するほか、各種水中センサ(深度・水温・塩分・ろ水量)から受け取った出力を電気信号に変換して船上局へ送信します。


    • VMPS 水中局の制御装置

      4 水中局の制御装置

      a)ネット開閉装置 a1)トリガ a2)トリガ用モータ a3)ネット開閉検知センサ

      b)水中チャンバ


    • (1)- 2 船上局 

       VMPSの船上局を図5に示します。船上局は「データ変換器」(以下、変換器)と「データ収録PC」(以下、PC)からなります。変換器は水中局に電源を供給するとともにPCと水中局(VMPS本体)の間で交わされる信号のやり取りを仲立ちします。PCにインストールされた専用ソフトウエアを用いてネット開閉信号の発信や計測データの記録・表示を行います。通常、船内の研究室等に設置された船上局は、図2のシステム構成図で示した通りアーマードケーブルと船内配線を介して水中局と接続されます。


    • VMPS 船上局

      5 VMPS船上局

      a) データ変換器 b)データ収録PC

      写真提供: 山口 篤 博士(北海道大学水産科学研究院)