Garis besar topik

    •  採泥器で堆積物を採取するときやCTD採水システム等で水面から海底ギリギリまでの観測を行うとき、安全に測器を海底付近まで降下させるために海底と測器との距離(水中高度)を把握する必要があります。そこで、水中で音波を一定間隔で発信する音響機器(ピンガー(Pinger))が利用されます。ピンガーは測器あるいは測器を吊り下げているワイヤロープに取り付けて測器と共に降下させます。ピンガーが発する信号(直接波)は海水中を伝搬し、船底に設けられた受波器によって受信されます。これに少し遅れて一旦海底にぶつかって反射してくる信号(反射波)が受信されます。この二つの信号の到達時間の差から、測器と海底の距離を知ることができます。また、この装置は正確な時間間隔(たとえば1秒あたり1回)でパルス信号(ping)を発信するので、連続的な受信が可能となり、リアルタイムに測器と海底までの距離を把握することができます(13)

    • ピンガー 水中高度の計測

      13 ピンガーによる水中高度計測の概念図