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    • エントロピーの説明①

       100gの水が入った二つのビーカー。片方は凝固点ギリギリの0℃(下図A)、もう片方はアツアツの90℃(下図B)。これらのビーカーに沸点ギリギリの100℃の熱湯20gを注ぎました。(A)の方は、120gで約16℃の水、(B)120gで約92℃のアツアツのお湯になりました。




       同じ熱量を加えたのに(A)は+16℃も上昇、(B)は+2℃だけ上昇しました。(A)の方が状態の変化が大きい(A)(B)の状態変化を比べるには、何か尺度が必要でしょう。両者で違うのは元の温度。元の温度が低い方が状態の変化が大きいのです。

       そこで、加えた熱量(Q:ジュール)を元の温度(T:ケルビン)で割って、状態の変化量(S)を定義します。

       

      S = ⊿QT

       

      このSを、エントロピーと呼び、⊿Sをエントロピー変化といいます

       

      (【エントロピー変化⊿S×【温度T】が系に加えられた熱量(Q)に等しく、【エントロピーS×【温度T】が束縛エネルギーになります。)


       エントロピーを定義されても、いまいちピンときませんね。巷の教科書には、エントロピーとは乱雑さの度合いとか説明されていて、余計にわからなくなります。

      いくつか例を示すので、エントロピーのイメージを持ってください。


    • エントロピーの説明②

       下図で示したのは、氷の融解に伴うエントロピー変化である。融点ギリギリの0(273 K)の氷1gに熱量336Jを加えると、氷が溶けて0℃の水になります。

       先に定義した通りに、(A)→(B)におけるエントロピー変化(⊿S= QT)を計算すると、⊿S  = 336 (J) /273 (K) = 1.23 (J/K)です。つまり、氷が溶けて水になると、エントロピーが増大します。氷は水分子が密集して整列ししているのに対して、液体の水分子のほうはバラバラに動いています。つまり、氷が溶けて水になると、乱雑さ(エントロピー)が増えたといえるのです。




       まだ釈然としませんよね。もう少し、例を示しながら説明を加えます。