亜寒帯海域の冬場は、海面が冷やされて鉛直混合が水深150 mくらいまで達するので、表面0 m~150 mまで栄養豊富な状態になります。その水の栄養が海岸付近で褐藻類に消費されますが、その水が再び外洋へ流されて鉛直混合すれば、栄養が再供給されます。褐藻類に消費された分は戻りませんが、春になって表層で植物プランクトンが利用する分に与える影響は小さいかもしれません。褐藻類により消費されたマイナス分の栄養は、0 m~150 mに影響が及びますが、元々、植物プランクトンは50 m~150 mの栄養は利用できないから、その影響は限定的になる可能性があるからです(絵6)。(混合についての考え方は、海洋表層の鉛直混合と成層化のLASBOSコースを参照)

絵6 冬場に褐藻類が消費した栄養の影響が、春先の植物プランクトンの大増殖に与える影響有無のイメージ
本コースで紹介した栄養循環は、私(大木)のイメージにすぎません。実際に調べて検証する必要があります。海洋表層の混合状態が季節的に変わること、コンブや植物プランクトンが大きく生長・栄養を消費する時期が違うこと、これらを考慮して、ブルーカーボンを評価する必要があるのです。海洋物理学・化学・生物学の研究者が集まって対応する必要がありそうです。(仲間募集中!)