Gymnodimine
ギムノジミンは1995年ニュージーランドで発生した Karenia Selliformis の毒性物質として見いだされた化合物である。構造的にはスピロイミノ環アルカロイドに分類され、これまでに構造が部分的に異なる7つの類縁化合物が報告されている。
ギムノジミンは神経伝達に関与する筋肉中のニコチン性アセチルコリン受容体を阻害し、筋肉を麻痺させる機能がある。同様の機能を持つ化合物は麻酔にも応用される。
ニュージーランドの食用二枚貝を分析した結果、高頻度でギムノジミンが検出されている。ただし、食事としてギムノジミンを摂取した場合には毒性は弱いという報告があり、実際にニュージーランドではヒトへの健康被害は報告されていない。
なお、同じK. selliformisであっても、チリのパタゴニアで発生した株からはギムノジミン類は検出されていない。また、我々のこれまでの道東株の分析からにおいても、ギムノジミン類は検出されていない。
Seki T et al. Tetrahedron 1995; 36: 7093-7096.
Mardones JI et al. Harmful Algae 2020; 98: 101892.
Stirling DJ New Zealand Journal of Marine and Freshwater Research 2001; 35: 851-857.
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