海洋観測はルーチンワーク化して、一定の品質を保ち続けることが大事です。そのため、各組織ごとに、様々なご作法を定めて海洋観測をしてします。「ご作法」の代表選手が溶存酸素測定と、「クリーンテクニック」でしょう。DO採水については、先に記した基本さえ身に付けておけば、だいたい、どこの観測船に乗っても対処可能です。基本テクニックと原理さえわかっておけば、所々のご作法に従うのはそれほど大変ではありません。


 日本で一番厳格なのが、JAMSTEC研究船での観測作業を担っているマリンワークスの作法でしょう。(国際基準に厳格に従っています)

 まず、ニスキン採水器を一本ずつリークの有無をチェックしてから、採水作業にとりかかります。採水者が「ニスキン、ひと ふた リークなし!」 (ニスキン12番、リーク無し)と叫ぶと、監督者が「ひと ふた リークなし!」と復唱して記録する。採水者が「瓶番号ひと ひと 水温ひと てん ふた!」(DO瓶番号11、水温1.2℃)と叫べば、監督者が同様に復唱して記録する。「瓶番号 ひと ひと 水温ひと てん に!」 と叫んでしまうと、一発で素人であることがバレてしまう。この数字の読み方に慣れていると、ベテランっぽくて格好がよい。

(ご作法には、船での安全を確保するためのものも多いので、ちゃんと従いましょう。)


 ところで、わたし(大木)は傍からみても、自分でも“海洋観測に慣れてる感=ベテランぽさ”がないように思います。(さすがに、全くの初心者の学生が乗船する実習航海では、私もベテランっぽくみえるでしょうが、、、) 海洋観測をやってきた回数は相当なのに。同じようなことを、東北水研のK田さん(≠北大水産)も仰っていました。先日の船でK田さんとご一緒して、二人で顔を見合わせて納得したのです。 わたしは船で、ウロウロして無駄な動きが多いのと、他に頼れる人がいると、ついつい頼ってしまうのです。それに対して、北大水産学部出身の海洋学者たちは、“海洋観測に慣れてる感”がスゴイ。水産学部の大学院生の学生たちだって相当なベテランです。わたしは、そんな頼れるベテラン海洋学者を育てるのが目標で、わたし自身はずっと船観測で楽をしたいのです。みなさん、よろしく。


แก้ไขครั้งสุดท้าย: วันพุธ, 20 พฤษภาคม 2020, 3:14PM