炭酸カルシウム粒子が海水で溶解する条件式を書き出します。

CaCO3 (s)  Ca2+ + CO32- ;溶解平衡定数Ksp

Ksp = Ca2+】×【CO32-


過飽和な状態は、   Ca2+】×【CO32-/ Ksp  >  1

飽和(平衡)な状態は、Ca2+】×【CO32-/ Ksp  =  1

未飽和な状態は、   Ca2+】×【CO32-/ Ksp  <  1

で、表されます。

 海水中のCa2+イオンは豊富にあるから、【Ca2+】は変化しないとみなせます。したがって、海水中の【CO32-】が小さくなると、炭酸カルシウムに対して未飽和になってCaCO3粒子は溶解します。


海水中の【CO32-】が小さくなる条件 

 では、海水中の【CO32-】が小さくなる条件とは何でしょうか? すでに学んできたように、海水のpHが下がると、炭酸系物質の解離平衡が移動して、DICに対するCO32-の割合が小さくなります。pH8ではCO32-DIC = 9%なのが、pH7になるとCO32-DIC = 1%にも満たなくなります。


最終更新日時: 2020年 06月 26日(金曜日) 08:20