海洋の炭酸カルシウム粒子の飽和深度
主題大綱
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ここで、炭酸カルシウム粒子が海水で溶解する条件式を書き出します。
CaCO3 (s) ⇆ Ca2+ + CO32- ;溶解平衡定数Ksp
Ksp = 【Ca2+】×【CO32-】
過飽和な状態は、 【Ca2+】×【CO32-】/ Ksp > 1
飽和(平衡)な状態は、【Ca2+】×【CO32-】/ Ksp = 1
未飽和な状態は、 【Ca2+】×【CO32-】/ Ksp < 1
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炭酸カルシウム粒子のうちカルサイト(上図)とアラゴナイト(下図)が飽和となる深度(【Ca2+】×【CO32-】/ Ksp = 1)を示します。この深度より浅いと、未飽和なので、炭酸カルシウム粒子は溶解しません。北大西洋では、カルサイトは4500m以深で未飽和(溶解する)になっていて、水深4000mくらいまでの深層水では溶解しないことがわかります。北太平洋では、カルサイトは500m以深で未飽和(溶解する)になっています。
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