トレーニング第二弾では、北海道ー東北沖太平洋にある観測ライン(A-Lineモニタリング)の2018年各季節のデータを扱いました。観測ステーションとしては、北に位置するA05、南に位置するA21を選びました。海面から深層3000 mの各水深、水温・塩分・密度・クロロフィルa・栄養塩類の各層データがあります。まずは、これらパラメタの鉛直分布図を作って、並べてみましょう。

解析のヒント

1)海洋深層では、北のA05、南のA21、場所によらず、各パラメタ値が同じくらいではないでしょうか? 同一の海洋深層水が北太平洋全域に広がっているからです。では、深層水の上、中層はどうでしょうか? 中層200 mくらい~1000 mでは、各パラメタの値が鉛直的に急に変化していませんか? さらに、その上(表層)では、季節毎に各パラメタの値が変化していませんか? これらの様子を、数字を使って説明してみましょう。南北の場所による違い(や共通性)、季節による違い(や共通性)に着目して、表層、中層、深層の各パラメタの平均値を表にしてみましょう。

2)海洋表層でも、0~100 mには太陽光がとどきます。(季節によっては、50 mくらいまでしか届かない) 光が届けば、植物プランクトンが栄養塩を使って光合成をします。植物プランクトン量の指標となるクロロフィルa、主要栄養塩の硝酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸について、季節的な変化に着目して説明してみましょう。

3)ダウンロードしたデータ(csv形式)には、密度データと、水深5 mの密度に対する密度差を計算した列があります。密度差が0.1σ以内であれば、水がよく混合していることを表す「混合層:Mixed Layer (ML) 」と定義しています。混合層内や直下のクロロフィルaや栄養塩濃度に着目するとよいです。

最終更新日時: 2024年 03月 19日(火曜日) 15:05