10月12日
観測が終了し、現在はサンプルの分析やデータ整理をしている。昨日、船の分析担当の方に海氷を融かした水の炭素量を測定してもらった。海氷が融けた時に海洋表層の二酸化炭素にどう影響を与えるか評価するための分析である。みらいには、分析や観測を専門とする方々が乗り込み、研究のサポートをしてくれる。サンプルの分析がすぐに船上でできる最高の環境である。



装置概要


 海水中に溶け込んでいる硫黄ガス成分を測定するために今回持ち込んでいるのが写真のガスクロマトグラフシステムです。対象としている硫黄ガスは硫化ジメチルという成分で海洋から大気に放出されたあと、雲の核になるということが知られています。その硫化ジメチルを測定するためには海水中に溶け込んでいるガスから硫化ジメチルを取り出さなくてはいけません。そのための前処理をするための前処理装置があります(左側)。海水の中にキャリアガス(右のボンベ)を流してあげて、溶け込んでいるガスを取り出します。そして、ガスクロマトグラフと呼ばれる装置に送って、今回対象としている硫化ジメチルをカラムに引っ付けて、不要なガス成分と分けます。そして、熱などを加えることによって、カラムから硫化ジメチルを取り出し、検出器で量を評価してやります。前処理装置やガスクロマトグラフの制御は真ん中にあるパソコンでやってます。瓶に採取したサンプルを前処理装置に最大6本セットすることができ、分析をスタートすると2時間ほどで自動的に分析が開始されます。この装置は札幌からコンテナで送って積み込んでおります。硫化ジメチルは瓶に詰めて持ち帰ってからの分析ができないため、このような大型の装置を船に積んで、採取後すぐに測定しています。






関連コース

ガスクロマトグラフィー https://repun-app.fish.hokudai.ac.jp/course/view.php?id=373