2.投入作業
船尾から投入する場合の採泥器の動きを図11に示します。
まずは、クレーンを振り出しながら採泥器を海面に吊り下げます。このとき、はじめはメインウェイトの側面に接続されたワイヤロープ(図11-a)で採泥器を寝かせたまま吊り上げます。続けて巻上機のワイヤロープ(ウィンチワイヤ)(図11-b)を巻き上げるとだんだんと採泥器が立ち上がっていき、完全に吊り上がったところで採泥器が直立します。実際の作業の中で採泥器が吊り上げられていく様子を図12に示します。
次に、天秤式トリガのアーム部分にパイロットウェイトを吊り下げます。天秤式トリガのストッパーピンを引き抜いたら、直ちにウィンチワイヤを繰り出して採泥器を海中に投入します。天秤式トリガを船体と接触させてしまうと採泥部が空中で落下して大きな事故につながる恐れがあります。船の動揺によって採泥器や天秤が空中で振れないよう、採泥器が海中に投入されるギリギリまでロープで抑えながら作業を行います。採泥器を
50 mの深さに沈めたところで一度ウィンチを停止し、ウィンチワイヤにピンガー
※1を取り付けます。ワイヤの繰り出しを再開し、採泥器を海底まで降下させていきます。