海水が凍りはじめると,海水内に針状の氷の結晶(氷晶)が漂う。これはフラジルアイス(fragile ice)とも呼ばれる。このフラジルアイスは浮力により海面に浮上して溜まる。フラジルアイスが溜まってくるとドロドロになり(グリースアイス),さらに冷やされると徐々に固体状の氷の塊になる(ニラス)。さらに成長すると,割れ目がなくなり,一枚の板氷になる。その途中で,波の影響によって氷の塊がお互いにぶつかり合うと,蓮の葉氷(パンケーキアイスともいう)を形成することがある。
冷たい空気は氷の表面から熱を奪い,海氷の下方への成長を促進する。嵐など荒れた状況では海氷が割れ,氷と氷が重なり合い,巨大な氷の塊になることもある。このような現象はオホーツク海でもしばしば起きることが知られており,海氷の厚さが20 メートルを超えることもある。