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    • 海洋応用生命科学部門・生物資源化学分野・安藤研究室の紹介です

    • 脂肪酸は海産魚の中で重要な役割を担っています。DHA、EPA、ARAなどの高度不飽和脂肪酸は、膜流動性の調節、神経組織の発達、知覚行動、生理活性物質の合成などに深く関わる物質として知られています。脂肪酸はまた代謝エネルギーの供給源としての機能ももっています。こうしたことから、脂肪酸含有量や脂肪酸組成といった情報は海産魚の栄養状態を量的あるいは質的に表す指標として役立っています。



          図:  仔魚(上)の筋肉で実施した脂肪酸分析の例

      ARA, EPA, DHAを含む約50種類の脂肪酸がガスクロマトグラフィーで定量分析された 

    • 魚油分析のチームでは、通常の作業として毎年500検体以上の脂肪酸分析を行っています。また、最近私たちは仔魚1個体に含まれる微量の脂肪酸分析に成功しました。ガスクロマトグラフィーを使う方法によって、体長3 mmほどの仔魚の筋肉でも脂肪酸を分析できるようになりました。この新たな方法は、今後仔魚の成長や生残を調べるための有力な手段となっていくことでしょう。


             図: クロマグロ仔魚の標準体長に対するEPAとDHA含量(総脂肪酸のmol%)

        脂肪酸分析によりEPA含量はサンプリング地域(高水温の南西諸島と低水温の日本海)で異なることがわかった。

  •  資源機能化学科