有用紅藻類における生殖機構に関する研究
海洋応用生命科学部門・育種生物学分野・宇治研究室の紹介です
海藻の持続的な生産のためには、これらの繁殖戦略を理解した上で、藻場の保全や増養殖を適切に行っていく必要があります。海藻において繁殖が成功するためには、最適なタイミングで生殖することが重要であるため、海藻は外界の環境の変化を感知することで、成長から生殖の転換を厳密に調節していると考えられていますが、これらの制御機構は不明です。そこで本研究室ではアジア圏で養殖が盛んな海苔の原料である紅藻アマノリ類を主要な研究対象とし、本属の生殖機構に関する研究を行っています。またこれらの知見を基に寒天の原料として重要な紅藻オゴノリなどの生殖機構に関する研究も行っています。
選抜マーカーとしてコドン改変ハイグロマイシン耐性遺伝子(Pyaph7)を利用した上記の遺伝子コンストラクトをパーティクルガン法によりスサビノリ細胞に導入した後、抗生物質の1種ハイグロマイシンで選抜することで目的の遺伝子(PyGUS遺伝子等)を安定的に発現させることが可能になりました。青く染色された藻体はPyGUS遺伝子が発現したもので、赤色のものは発現していない藻体になります。