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本コースとSDGsの関連を説明
「国連海洋科学の10年」では、海洋科学の知見や技術を総動員してSDGs達成に貢献しようとしています。「国連海洋科学の10年」で定められている海洋科学のカテゴリーの一つに、「Marine ecosystem functions and processes」があります。このカテゴリーには、海洋生態系の構造や多様性、さらには、化学や物理プロセス、栄養塩循環、エネルギーフローまでを含んでいます。これらが海の豊かさを支えているからです。これを知るには、実際の海を調べる必要があります。本コースでは、海岸付近の水を迅速かつ安全に採取する道具を開発した内容を紹介しています。このような道具を使って海の環境を調べられることを広めて、SDGs目標14に貢献したいと思います。
MIWAサンプラーの開発
開発の経緯
海岸の水を採取しようとしたらどうしますか?
岸辺から柄杓を手に持って水を採ることを考えるでしょう。こんなことができる状況は、殆どありません。海岸は、だいたい防波堤(テトラポット)に覆われているか、岩がゴロゴロしています。天候が悪ければ、波にさらわれてしまうでしょう。命がけです。
胴長を着て、海に入りますか? これだって危険です。
漁師さんの船を借りますか? お金がかかるし、大変です。
海岸の水を、手早く、安全に採取する方法を開発する必要があります!
Lc-MIWA (Long casting style of Marine Instant Water sampling Apparatus)
開発者の三輪君(卒研生)にちなんで、無理くり付けた名前です。
以下に、使い方を紹介します。
① 長尺の釣り竿を振りかぶる(採水器を遠投する)
三輪君の親友、ノブ(釣り好き)
② 採水瓶の中に水が入るのを待つ
③ 仲良く水を入れる
開発テスト
開発当初は、”任意の水深で採水”することを目指していました。そのため、建物の3階相当の長さの透明筒を用意して、どの深度でボトルに水が入るかを調べました。採水口の形状を微調整すれば、微妙な圧力差で深いところの水を採取できると期待したのです。しかし、水深1mくらいでボトルの中に水が入ることがわかり、それ以上の調整は無理でした。(なので、海岸付近の水深1mの水を採取する道具、と限定的になりました)
MIWAサンプラーの概略図と噴火湾観測
MIWAサンプラーの仕組みです。
ガラス瓶にブチルゴム栓を付けて、その栓に二本のステンレス管を挿してあります。水中に入れると、水圧差で瓶の中に海水が入ります。ガラスを保護するため、保護ネット(黄色)を巻いてあります。なるべく遠くに投げるため、大物の魚を狙う釣り竿を使いました。相当な釣りマニアでないと、これを使うのは難しいようです。
下記引用文献のFig 2より転載
北海道噴火湾の周囲の海岸で海水を採取
噴火湾は、半径30キロくらい。周囲の海岸を一日で廻るには、朝函館を出て、高速道路を使いながら、各所に向かいます。各所(海岸)でのサンプリングを30分で済ませられれば、夕方には函館に戻ることができます。このような短時間で海岸の水を採取するには、やはり、MIWAサンプラーが欠かせないのです。
下の図の海岸線に記した̻、砂崎(Sunasaki)~室蘭(Muroran)で海水を採取しました。
下記引用文献 Fig 1より転載
海岸の海水を採取して、含まれるブロモホルムの濃度を測定した結果です。ブロモホルムは、海岸に生息する大型藻類(コンブ)が放出する有機ハロゲンガスの一種です。昆布が繁茂する有珠の海岸で濃度が高いことがわかりました。
下記引用文献 Fig 5より転載
今後も海岸の水を観測したいのですが、MIWAサンプラーを操れる釣り好き(かつ、分析好き)が現れないので、休止中です。
引用文献: Ooki et al., Seasonal Variations of Bromoform Distribution in the Funka Bay, BUNSEKI KAGAKU (
62) 12, 1071-1078 (2013) DOI:10.2116/bunsekikagaku.62.1071 日本分析化学会の日本語雑誌(分析化学)の記事へのリンクです
ブロモホルムは、大型藻類の酵素反応で生産されると考えられています。大型藻類の機能性成分については、上のリンクで学んでください。