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先取権の原理―「早い物勝ち」のルール
次に有効名を選ぶ基準について説明する。
複数の適格名から有効名を選ぶ場合,規約には「先取権の原理」という非常に重要かつシンプルなルールがあり,最も早く公表された学名が採用される。「早い者勝ち」なのである。
第 1 章で Platycephalus(コチ属)と Neoplatycephalus の話題に触れ,これら 2 属を一つにまとめ,Platycephalus として再定義し,Neoplatycephalus の名前は使わないことにしたと述べた。その理由は先取権の原理に従うためだったのである。
Platycephalus はマルクス・ブロッホ(Marcus E. Bloch)によって 1795 年に,Neoplatycephalus はフランシス・カステルノー(Francis Castelnau)によって 1872 年に公表された属である。Platycephalus のほうが公表が古く,先取権(priority)があるため,この学名を有効名として採用したのである。
この場合,Neoplatycephalus は無効名となる。また,有効名となった公表年の古いほうの学名である Platycephalus を古参異名(または古参シノニム)(senior synonym),無効名となった公表年の新しいほうの学名である Neoplatycephalus を新参異名(または新参シノニム)(junior synonym)という。
例外もある
例外的に,先取権のない新参の学名が有効名となることもある。長い期間にわたって広く一般的に使われてきた学名が,これまでほとんど使われたことのなかった古参異名のために使うことができなくなると,分類学的な安定が損なわれるため,新参異名の使用を認める条があるのである。
ただしハードルはかなり高い(そしてわかりにくい)。該当する古参異名が 1900 年以降に有効名として扱われておらず,さらに新参異名が直近の 50 年のうちの 10 年以上の期間にわたり,少なくとも 10 人の著者が公表した少なくとも 25 編の著作物のなかで,有効名として使われていなければならないのである。もう少しわかりやすく言い換えると,古参異名はおよそ 120 年以上は使用実績がなく,新参異名はこの半世紀の間のどこかで 10 年以上の期間に多くの著者によって使用実績があるということが示されなければならない。
これを満たしていれば,新参異名を使い続けることができる。ただし,新参異名を「使ってもいい」ではなく「使わなければならない」のである。規約では「慣用名(ここでは,長く使われてきた新参異名のこと)を維持しなければならない(prevailing usage must be maintained)」という表現が使われている。 must であり,強制である。
上述の条件を満たさなくても,優先権(precedence)を逆転させたほうがよいと考えられる場合には,著者は審議会にその旨を申し出ることができ,審議会はそれが適切であると判断した場合には「強権」を発動し,古参異名を抑制,つまり使えなくすることができる。第一校訂者の役目―複数の学名が同時に公表されたら?
先取権の原理は 1 日違いでも適用される。しかし,異なる著作物が同じ日に公表されれば,同時に公表されたことになる。また同じ著作物で公表された場合も,掲載されたページのあとさきによる先取権はなく,同時と見なされる。
このような先取権の原理で適用すべき有効名を客観的に選べない場合には,公表された著作物が同じであっても違っていても,いずれかの学名に優先権を与える(つまりその学名が有効名となる)ことを最初に別の著作物で公表した著者の決定に従うことになる。この著者のことを第一校訂者(first reviser)という。このような,第一校訂者が優先順位を決定するというルールは「第一校訂者の原理」と呼ばれる。
第一校訂者として優先権を決める場合は,勧告により,命名法の安定と普遍性に最もよく寄与するであろう学名を選ぶべきとされている。少しわかりにくいかもしれないが,たとえばよく使われている学名とほとんど使われたことがない学名の間で優先権を決める場合は,よく使われているほうを選ぶべき,ということである。
同じ階級群の異なる階級で同時に公表された場合は,階級の高いほうに優先権が与えられる。たとえば,科階級群の Aidae(A 科)と Binae(B 亜科)が優先権を争う場合,前者は科,後者は亜科として公表されているので,階級の高い Aidae に優先権がある。ここには第一校訂者の判断は必要ない。