附属練習船 おしょろ丸
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北海道大学水産学部 附属練習船おしょろ丸の説明です
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1907 年(明治40 年)札幌農学校に「水産学科」が設立され、2 年後の1909 年に初代練習船「忍路丸」が建造されました。
米国タラ漁船をモデルとしたトップスル・スクーナー型帆船 全長31 メートル 総トン数162 トン
後には少年団日本聯盟に移管され「義勇和爾丸」として海洋部練習船となり我が国の海洋少年団の発展に貢献しました。
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二世からはひらがな表記の『おしょろ丸』となりました。
バーケンティン型帆船(500 馬力ディーゼルエンジン付き)全長42 メートル 総トン数471 トン (1942 年に帆装を撤去し汽船に改装)
一時は軍用に徴用されましたが、1945 年7 月の北海道空襲では連絡船や艦船等、津軽海峡の海上も含め多数の犠牲を出す中、当時の斎藤市郎船長の「奇跡の航行」(※)により米軍機の機銃掃射を最小限に食い止め危難を免れました。以後35 年で実習生1,648 名を乗せ、総航程30 万余海里を航海しました。
(※) 北海道新聞社編:戦後70 年 忘れ得ぬ戦禍北海道新聞地方版から,北海道新聞,2015.12.
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船尾トロール船型(2000馬力エンジン 可変ピッチプロペラ)全長67 メートル 総トン数1,180 トン
国際インド洋海洋調査計画航海(IIOE)や黒潮共同調査(CKS)に参加し、1968 年からは北洋航海を始めました。1972 年の北洋航海では、チュクチ海で北緯72度まで達し、当時の日本船としての最北端記録を樹立。また、実習・調査とは別に1965 年からは北方領土墓参にも参加することとなりました。
全96 次航海で総航程518,000余海里を走り、乗船学生は3,150名を数えました。
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三世と同様の船尾トロール型 全長72 メートル 総トン数1,383 トン(後に1,396 トン)
従来の効率よく獲る・生産するための「漁業」の研究『水産学』から、「海洋・水圏資源の持続的生産と効率的利用」および「海洋生態系や環境の保全」を目指した体系的な『水産科学』へと教育目標が変化するに伴い、実習航海の内容も次第に海洋調査に重点を置く航海が増えて行きます。そして、2008 年には北太平洋海洋科学機構(The North Pacific Marine Science Organization;PICES)の海洋モニタリング賞( PICES Ocean Monitoring Award;POMA)を受賞しました。
調査航海と並行して全学教育科目の一般教育演習として単位化された全学に開かれた「フレッシュマン航海」や他大学の学生が乗船する「教育関係共同利用拠点」としての航海も始まりました。また、2011-2014年には東日本大震災で被災した岩手県立宮古水産高校の実習航海をはじめ「震災対応」の航海もさせて頂くことが出来ました。
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1)世界の水産・海洋分野で活躍する人材の育成
2)海洋生態系の保全と食料資源の確保,持続可能な資源管理
という将来を見据えた教育のプラットフォームとしての練習船を目指して2012年(平成24年)より代船建造を進めました。
これを踏まえて基本となったコンセプトは「静かで揺れない洋上のキャンパス」 そのために、水槽実験の結果を踏まえ、設計時より大型化した「ビルジキール」 効率的な配置をされた「アンチローリングタンク(減揺タンク)」、そして通常はこのクラスでは見られない「展張型フィンスタビライザー」を設置・搭載しました。
2013年(平成25年)3月21日 起工
2014年(平成26年)3月14日 進水
2014年(平成26年)7月28日 就航
全長78.27メートル 総トン数1,598トン 定員99名(学生定員60名)
さらに上記、船体構造に加え、極域での実習・調査を可能にするためのICC(アイスクラスC)と同等の高い運動・耐航制能を有し、制振・静寂及び環境負荷低減に配慮し電気推進(2基1軸)システムを採用しました。
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