海水の密度は、水温と塩分で決まり、低水温・高塩分ほど高密度になる。海には、浅い方に低密度の水、深い方に高密度の水が積み重なっている。表面海水が冷やされて高密度化すれば、その密度の深度まで表面水が沈む。このことは、右図を使って先に説明した。

ある深さで安定している水を、浮上させるには追加の浮力が、沈降させるには追加の重力が必要である。いっぽう、海水は、密度を変えるような大きな作用が無くても、等じ密度帯(等密度面)であれば、少しの力が加わえるだけで動かされる(上図で、深層水が水平的に押し流されるのも等密度面での移動)。動いた先に、同じ密度で違う水があれば、等密度面での混合が起こる。下図に密度の南北鉛直断面を描いた。等密度の面(図では等密度線)が、亜熱帯域、亜寒帯域それぞれで水平になっていることがわかる。しかし、両域で同じ密度の面(線)の深さがずれている。例えば、亜熱帯の水深450 mには密度26σθ(緑色)の水があり、その密度26σθの等密度面が亜寒帯では表面に迫っている。このように等密度面に鉛直勾配があっても、海水は等密度面に沿って楽に移動することができる(下図の白破線矢印)。そして、等密度面に沿って移動しつつ、移動先にあった同じ密度の水との混合が進む。
