セクションアウトライン

    • 北方生物圏フィールド科学センター・七飯淡水実験所で実施される実習の紹介です


    • ①       採卵日の前日の夕方に雌雄を用意する。

      ②       雄個体を採卵用の水槽に2−3尾移す。雌雄は色調で区別(雄の方がオレンジがかっている)

      ③       採卵用の水槽の上にステンレス製のかごをのせる。かごの下部が水に浸っていることを確認。

      ④       雌の水槽から2個体雌を選んで、雄を入れた水槽の上のかごの中に入れる。

      ⑤       かごに水槽の蓋を乗せて、雌雄が飛び出ないようにする。

      ⑥       次の日の朝に、水槽の下の雄をネットで捕まえ、上のかごに移す。

      ⑦       雄が雌を追うかどうかを確認する。

      ⑧       追い始めたら間もなく産卵が確認される。(されない時もある)

      ⑨       20分程放置し、受精卵が水槽の底に溜まるのを待つ。

      ⑩       雌雄の入ったかごを、他の水槽の上に移す。

      ⑪       ホースのサイフォンとプラスチックシャーレ、茶こしを用意する。

      ⑫       ホースに水を入れ、水が出ないように片方の口を茶こしの中にいれ、茶こしはプラスチックシャーレの上に乗せる。

      ⑬       水槽の下に沈んだ卵を、ホースのサイフォンを使って、茶こしの中に回収する。

      ⑭       プラケースに飼育水を入れ、その中に茶こしに溜まった受精卵を入れる。

      ⑮       受精卵を口が大きなピペットを用いてガラスシャーレに移す。

      ⑯       大きなピペットを用いてガラスシャーレから水を取り除く。

      ⑰       受精卵の上から0.1%トリプシンリンゲル液(100ml120μℓ程の0.1N NaOH溶液を入れpHをアルカリ性にする)を入れて静置する。実体顕微鏡で卵膜が2枚にはがれてくるのを観察。

      ⑱       卵膜が剥けてきたら、大きなピペットで、卵を吸い込まないようにトリプシン溶液を動かし、卵膜と胚を分離する。泡立てないこと。泡立てると胚が泡と触れて爆発する。

      ⑲       シャーレを静かに動かして、卵膜除去卵を中央部に集める。

      ⑳       卵膜除去卵を一次培養液を満たしたアガロースシャーレに移す。


    • ①       採卵の前日午前中に雌の飼育水を新しいものにかえる。(環境刺激)

      ②       前日の夕方(5時から10時くらい)に雌雄の腹腔内にhCGを注射。(雌1-10unit/gBW、雄0.11unit/gBW

      ③       当日の朝から排卵をチェック

      ④       雄を麻酔し、ヘマトクリット毛細管に精液を採取し、人工精漿で50-100倍に希釈し冷蔵庫へ保存。(人工精漿:NaCl 5.61 g/L, KCl 5.23 g/L, CaCl22H2O 0.33 g/L, MgCl26H2O 0.22 g/L, NaHCO3 0.2 g/L, pH8.0

      ⑤       雌を麻酔し、サランラップ上に排卵卵を搾出する。乾燥しないようにカバーをかけて室温で保存。(2時間以内に受精を終わらせる)

      ⑥       プラスチックマドラーを使ってサランラップ片の上に必要量の卵を移す。

      ⑦       黄色チップを使い、希釈精液を媒精し、爪楊枝の背で軽く混ぜる。

      ⑧       受精液(0.2%urea, 0.24%NaCl水)をシャーレに満たし、媒精卵を入れて受精する。

      ⑨       卵が集中しないように、爪楊枝で切るように撹拌し、散らしておく。

      ⑩       受精液を捨て、卵膜除去液(0.1%トリプシン、0.4%尿素を含むリンゲル液)を入れ、静置する。

      ⑪       卵膜が透明になってきたら、シャーレを水平に動かして卵膜除去卵をシャーレ中央に集める。

      卵膜除去卵を一次培養液を満たしたアガロースシャーレに移す。

    • * この実験は2名で行います

    • .採卵・受精


    • ①    池に網を入れ親魚を捕獲し、親魚の雌雄を確認する。

      ②    メス親魚の体をタオルで拭き水分を拭う。

      ③    一人(利手に軍手をする)が♀の頭を、もう一人(利手でないほうに軍手をする)が尾を持ち、尾の側の人が腹を搾り、卵を丼の中にいれたザルに取る。(糞や小水、水を混ぜない)

      ④    卵をサケマス用リンゲル液で洗い、どんぶりに移す。さらに卵の表面までリンゲルを加える。

      ⑤    オス親魚を同じように2人で支え、腹を搾って精子をプラスチックコップへ入れる。(小水が混合しないように注意する)

      ⑥    適量の卵をザルに取り、リンゲルを切って他のどんぶりに移す。

      ⑦    どんぶりの未受精卵に精子をかけ、卵を良く混ぜた後、リンゲル液を少し加え(精子の付活)、更に河川水(あるいは井水)を丼の半分位まで加える。数分置く(受精)。

      ⑧    受精卵をざるにあけ、水を切る。もう一度、丼に河川水(あるいは井水)を入れ、受精卵を入れて洗う。何回か繰り返して精子が残らないようにする。

      ⑨    飼育培養する場合は、イソジン液で消毒した後、孵化槽へ移す。染色体操作を行う場合は、フレンチプレスのセル内に収容し、圧力処理を行う。

    • .サケマス卵の卵膜軟化


    • ①   受精後、卵をザルに取り、ザルの下からキムタオルをあて水分を吸い取ってから、酸性リンゲル液(HClによりpH 1.8に調製)で満たした容器へ移す。15分間の酸性処理を開始。(受精後1
      分以内に移し終える)

      ②   15分間の酸性処理を行う間に、0.2% パンクレアチン・リンゲル液のpHを(NaOH により)pH 11.5に調製する。

      ③   酸性処理を15分間行ったところで、酸性リンゲル液を捨て、リンゲル液(pH 無調製)によってすすぐ。続いて、塩基性リンゲル液(NaOH によりpH 11.5 に調製)によってすすぐ。

      ④   卵をザルに取り、ザルの下からキムタオルをあてて水分を吸い取ってから、0.2% パンクレアチン・リンゲル溶液(NaOH によりpH 11.5 に調製)で満たした容器へ移す。容器をインキュベータ(10℃~15℃に設定)内に静置する。

      ⑤   パンクレアチン溶液に受精卵を浸すことで、早くて7時間程度から卵膜の一部が溶け始める。卵膜の除去が確認された卵はすみやかにリンゲル液(pH無調製)中へ移す。

  • 七飯淡水実験所