CLAW仮説の終焉とSOLAS研究へ
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Charlsonらが1987年にCLAW仮説を提唱してから、CLAW仮説が注目を浴び、膨大な研究資源が費やされてきました。そのおかげで大気海洋研究は大きく進展しました。しかし、Charlsonの弟子二人(Quinn and Bates)により、2011年に同じNature誌にて、「CLAW仮説を証明する証拠は一切見つからなかった。CLAW仮説は葬り去るべきだ」として、CLAW仮説に終止符が打たれました。科学雑誌の記事の謝辞では珍しく、シェイクスピアのジュリアスシーザーの一節を引用していて、感慨深い論文です。なお、二人は、CLAW仮説の功績を称えてもいます。
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Quinn and Bates, Nature (2011) "The case against climate regulation via oceanic phytoplankton sulphur emissions"
Nature誌の記事のダウンロードは有料です。北大は契約しているので、北大からアクセスすればダウンロード可。 -
CLAW仮説を検証することを大目標として、様々な研究プロジェクトが行われてきました。先に述べたように、どの研究プロジェクトも、その大目標を達成することはできませんでした。大気と海洋の相互作用を理解するのは、国際的な枠組みを作って進めないと太刀打ちできないことがわかりました。これまでのプロジェクトを通して、国際的な枠組みが作られました。それがSurface Ocean Lower Atmosphere Study (SOLAS)です。 CLAW仮説を検証するのが目的ではありません。地球システムのうち、とくに、大気と海洋との相互作用を明らかにするのが目的で、全世界でその共通課題を認識して、科学を発展させるのが目的です。個々の研究者や研究グループは、SOLASを介して国際的に連携しながら、SOLASの共通課題を意識しながら、大気海洋研究を進めています。
The scope of SOLAS (2004) Diagram to illustrate SOLAS (2004) Five SOLAS Core Themes (2016)Figure 1 and Figure 2 of IGBP report 50 (2004), edited by Wendy Broadgate, (Web: www.solas-int.org)
Figure 1 of "SOLAS 2015-2025: Science Plan and Organisation. edited by Brévière, E. and the SOLAS Scientific Steering Committee (2016): SOLAS International Project Office, GEOMAR Helmholtz Centre for Ocean Research Kiel, Kiel, 76 pp. ) -
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