受精した卵はおよそ1時間半後に2細胞期に入り、顕微鏡で観察すると割球がみえます。
どんどん卵割が進むと桑の実ような塊ができ、これを桑実期といいます。
受精後、約1日で卵黄と油球を抱えるように胚胎が形成され、さらに15~20時間後に仔魚が卵から孵化します。
人工授精を行った卵を顕微鏡で観察し、時間がたっても卵膜の形成や卵割が見られないものを除くことで受精率を計算します。
受精率 (%) = 正常に受精した卵の数 / 人工授精を行った卵の数 x 100
卵の発生速度や孵化までの時間は水温によって変わり、水温が高いほど早くなります。
上に書いた時間は水温22℃での場合です。
ウナギの卵の孵化に最適な水温は、産卵場の水温と同様25℃ですが、養殖施設ではバクテリアの活性を抑えるために22℃で卵を収容し孵化させることもあります。
受精に成功した卵がすべて孵化するわけではありません。
同じ条件で収容した受精卵のうち、孵化した仔魚の数を数えることで孵化率を算出します。
孵化率 (%) = 孵化した仔魚の数 / 受精卵の数 x 100
卵は非常にもろいので、収容する際のショックで簡単にダメージをうけ、死ぬこともあります。
孵化率の算出に使う受精卵は、生きている受精卵の数を分母にします。
受精率と孵化率、そして孵化した仔魚の生残率は、卵質が良かったのか悪かったのかを判断する基準になります。