섹션 개요


    • チャクチ海(太平洋側北極海の陸棚域)に設置したセジメントトラップを回収する風景(LASBOS  youtube 動画)

       北大水産学部の練習船おしょろ丸の研究航海により、2017年7月に北極のチャクチ海(ベーリング海峡の北側)の陸棚域にセジメントトラップを設置しました。北極海の海底に堆積する粒子を、1年間、捕捉(トラップ)するためです。トラップ設置から1年経過した2018年7月に、ふたたびおしょろ丸でチャクチ海へ向かってセジメントトラップを回収する風景です。セジメントトラップは、海底に落とした重り(500 kgほど)につながれています。重りとセジメントトラップは、切り離し装置がつないでいます。まずは、その切り離し装置を呼び起こす命令(コマンド)を超音波で送ることから始めます。その返事が来るかどうかが、最初に緊張するところです。返事がないと、切り離し装置が故障したか、流されて行方不明になったかです。そして、切り離し信号を送って切り離します。次に緊張するのは、本当に浮上するのか? です。重りとセジメントトラップのロープが絡まっては浮上しません。浮きが破損してしまっていたら、浮いてきません。調査員、乗組員、総出でその様子を見守ります。




      無事、セジメントトラップを回収することができました。三瓶先生が、そのサンプルを分析して、結果を解析しています。


    • 沈降粒子を捉えるセジメントトラップ観測

       海洋を沈降する粒子を捉えるには、海水中に大きなロートを沈めて、上から降ってくる粒子を集めるしかありません。大きなロートの下に粒子を集めるカップを置いて、タイマー仕掛けで回転させます。各季節に沈降してきた粒子をカップに集めることができます。これをセジメントトラップといいます。毎年、観測船で遠洋まで繰り出して、セジメントトラップを設置・回収しなくてはなりません。現在、日本ではJAMSTECがセジメントトラップ観測を精力的に行っています。かなりの労力と費用がかかりますが、沈降粒子の季節変化、成分測定による要因解析、長年続けることにより長期トレンドが捉えられるなど、地球環境を理解するうえでの貴重なデータが得られています。

       海に係留しているセジメントトラップを、何かの不具合で回収不能になってしまうこともあります。観測データが得られないだけでなく、高価な装置を失うので経済的にも大打撃。トラップを投入するときには、日本酒をかけて清めてから投入します。(そんなこともあった) 投入したあとは、神頼みなのです。


      ① 沈降粒子を観測する海域に観測船でセジメントトラップを運びます


      ② 海中にセジメントラップを係留して1年間、沈降粒子を試料カップに集めます。試料カップが24本連なっているので、1年間毎月2回の間隔で集められます。



      ③ 一年後、同海域に観測船できて、セジメントトラップと重りを切り離して、浮上させます。



      ④ 船上にてセジメントトラップから試料カップを取り出して、沈降粒子を処理します。



       かつては、北海道大学水産学部でも、セジメントトラップ観測を継続していましたが、現在では行っていません。北極研究プロジェクトなど、大型研究のために、おしょろ丸を出してセジメントトラップ観測を実施することもあります。