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    •  本研究では、1997年10月から1998年10月にかけSHEBAで採取された試料を用いました。SHEBAでは、約2週間に1回の動物プランクトン層別採集が行われ、採集試料は4%ホルマリン海水に固定されました。

       同試料中に優占する動物プランクトンのうち、未解析であった深海域に優占する粒子食性のアエティデウス科カイアシ類5種について、身体の各部位長を計測することにより(図1)、若い発育段階を含む全ての発育段階の種同定が可能になりました(図2)。また各種各発育段階の深度分布と、個体群構造の季節変化を明らかにし、いつ再生産を行うかを評価しました(図3)。

    • 【参考図】


      図1.アエティデウス科カイアシ類の幼体の種同定に用いる計測部位。


      図2.アエティデウス科カイアシ類の各発育段階における計測部位長の散布図。種によりプロットされる位置が異なり、種同定に用いることが出来る。


      3SHEBAサンプルに出現した、分布深度の浅いアエティデウス科カイアシ類4種の出現個体数(上)、発育段階組成と平均発育段階(下)の季節変化。