まとめ
セクションアウトライン
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本研究で、タープを0.3m設置することで、生簀網に対する赤潮の流入を抑制できることが示唆されました。
ただし、図2の通り、生簀網内の流速が小さくなってしまうことも同時に分かりました。
流速が遅くなると、淀みが発生するため、酸素濃度の低下や排泄物等の蓄積が懸念されます。
以上のことから、生簀網にタープを巻くことによって、赤潮の流入を抑制できるが、流速が遅くなるというデメリットも懸念されます。
実際の設置の際には飼育魚種の遊泳行動や設置海域の赤潮プランクトンの鉛直分布特性を考慮した設計が必要になります。
こうしたときに、実際に生簀網を設計して試すのでは、大きなコストがかかってしまいます。
本研究で行ったシミュレーション手法では、上記のメリット・デメリットを視覚的に、定量的に評価できることから、低コストで現実に即した生簀網の設計に寄与できると考えます。