対象とした生簀網と流体解析結果
Garis besar topik
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ここでは、模型スケール(1/40)のクロマグロ養殖用生簀網を解析対象としました(図1)。
標準の生簀網(図1、左図)に加えて、表層から流入する赤潮を抑制するために長さLtの防水タープを装着した生簀網を対象にCFD解析※を行いました。
※CFD解析:Computational Fluid Dynamics(数値流体力学解析)。PC上で流体に関する運動方程式を解くことで、対象物周りの流れをシミュレーションする手法。

図1 解析対象とした生簀網の3次元モデル(実際のサイズは直径40m、上図は1/40スケール)
CFD解析の結果を図2に示しています。
同図は流速の分布を可視化しており、赤い部分ほど流速が速く、青い部分程流速が遅いことを示しています。
タープを巻いていない生簀網(左上)の場合、生簀網内の流速はほぼ一様であることが見て取れます。
一方で、他の生簀網については、タープを巻いた部分で流れが淀んでいる(流速が小さくなっている)ことが分かります。
この流れの淀みは、タープの長さ(Lt)が大きいほど、大きくなることも見て取れます。
これは、流れがタープによってせき止められて、流速が減少したためと考えられます。

図2 生簀網を対象としたCFD解析による流速分布。赤いほど流速は大きく、青に近づくほど流速は小さいことを表す。