観測定点K2における全期間の平均有機炭素フラックスは4.2 ± 4.8 mg m⁻² day⁻¹であり、春季から秋季に高く冬季に低い季節変動をしていました(図2の赤線)。この季節変動は、海洋表層における春季・秋季の植物プランクトンブルームと対応していました。また、季節変動よりも明らかに高い、経年変動に伴う極大が12回観測されました(図2の青〇)。有機炭素フラックスとその1–2か月前の海面クロロフィル濃度の関係を調べた結果、12回観測された有機炭素フラックス極大の内11回の極大が、K2周辺における高い規模の植物プランクトンブルームに影響を受けていたことが示唆されました。

図2. K2における有機炭素フラックスの時間変動(黒棒,単位: mg m−² day−¹)。赤線は、季節変動を示す. 灰色のエリアは、データが無い期間を示す。 青〇と数字は、本研究で極大と考えた有機炭素フラックスデータとその番号