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    • 懸濁液の粒径分布の測定方法には,レーザー光を照射して散乱光を測定する「動的光散乱式粒子径分布測定装置」,粒子トラップを吊り下げた沈降管に懸濁液を入れトラップに堆積する粒子の質量の経時変化を測定する「沈降天秤法(3-2)」,また,比較的安価な器具を用いた簡便な方法として「アンドレゼン・ピペット法(3-1)」がある。

    • 3-1.アンドレゼン・ピペット法

      アンドレゼン・ピペット(右図)を用いた粒子径測定操作は,以下のように非常に簡単である。

      1)アンドレゼン・ピペットに所定量の液体と粉体を加えてよく撹拌した後に静置

      2)上部に取り付けたピペットで所定時間に試料液を採取し固形分の濃度を測定

      3)通常は,採取した試料液を乾燥して残った固形分の質量を測定して濃度を決定

      試料液中の固形分の質量は,時間の経過とともに減少する。減少した質量は,静置してから試料を採取するまでの間(時間t)に,液面からピペット先端(距離H)を通過できる沈降速度をもつ粒子群の質量に等しい。よって,時間t に採取した試料液の固形分濃度C を初濃度C0 で割った値は,終末沈降速度がH/t より遅い粒子群の割合(通過率)に相当し,Stokes 式(式2-2)によって採取時間を粒子径に変換すると通過率曲線を描くことができる。


    • 3-2.沈降天秤法

      左下図の沈降管によく撹拌した懸濁液を入れ,トラップに堆積する固体質量の経時変化を測定すると,右下図のようなグラフ(沈降曲線)が得られる。粒径が均一な場合は質量が直線的に増加し,不均一な場合は曲線をとなる。時間tにおける堆積重量をWt,重量が変化しなくなったときの重量をWf とすると,残留率R [-]は,

       (3-1)

      式3-1 をt について微分すると,

       (3-2)

      式3-1 と3-2 から,

       (3-3)

      粒子の密度および流体の密度と粘度がわかれば,Stokes 式により時間を粒径に換算することができる。一方,沈降曲線の接線の切片は残留率R に等しいので,この結果から,残留率曲線を描くことができる。