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    • 全ての実験区をあわせた結果(計 60L (2L x 30 samples))、夏は 18 OTU (Operational Taxonomic Unit)、冬は 39 OTU が検出されました。

      太字:両方で検出された魚赤字:底生魚


    • 種の豊富さ(Species richness)と生物多様性(Shannon-Wiener H index) ともに冬が高く、理由として

      1)夏に形成されていた水温躍層が解除され表層水と低層水が混合された(冬の底生魚の検出率が高い)

      2)冷たい水温を好む底生魚が表層まで移動した

      3)水温が低くDNAの分解が遅い分、より多い魚種が検出された(夏:21.4℃、冬:2.9℃)

      この3つが考えれます。


    • また、夏と冬の出現種を比較した結果、群集構造がはっきり分かれていました。


    • 群集構造が分かれる原因として、重複する OTU が8で少ないのもありますが、その重複した OTU の検出率が季節性を反映しているからでもあります。

      下の表は、夏と冬の両方で出た OTU が計30サンプル(6つの実験区 x 5反復)のうち何回検出されたかをパーセンテージで表したものです。


    • スケトウダラは、夏は計30サンプルのうち3サンプルでしか検出されてないが (10%)、冬は全てのサンプルで検出されました (100%)。

      これはスケトウダラの生活史と関係があります。

      スケトウダラは冬に調査海域で過ごしながら産卵しますが、夏には道東海域で過ごすため、このような結果になりました。


    • 一方、カタクチイワシ(夏:93.3%、冬:6.7%)は調査海域に一年中いますが、夏に産卵する生活史を持っています。


    • 水中の環境DNA濃度は、魚の産卵期に高くなることが過去の研究より知られています。