セクションアウトライン

    • カラフトマス背隆起成熟に伴う変化

                カラフトマス背隆起の構造(下図)および成熟に伴う変化(左図)

                  カラフトマス背隆起の構造





    •  サケ類のカラフトマスやベニザケの雄では、性成熟に伴い背隆起が顕著に発達します。過去の研究では、肉眼的な観察から繊維性軟骨といわれる「軟骨」の組織塊が詰まっているということが公表されており、国内外のサケの専門家の間でも「軟骨説」が支持されてきましたが、私たちの研究グループでは、カラフトマスの背隆起を顕微解剖学的な視点から解析しました。その結果、背隆起の中心にある骨は「不完全神経間棘」という硬骨であり、成熟に伴って長く、太く、そして体の軸に対する角度も大きくなることが判明しました。加えて、過去に骨の周りに存在すると報告されていた軟骨組織は観察されず、実際は「疎性結合組織」であることが分かりました。この組織の主成分は皮膚に含有するコラーゲンと同じタイプであるⅠ型コラーゲンおよび水分が多くを占めていることも分かっています。さらに、雄の成熟個体では未成熟個体や雌個体よりも血液中の11-KT濃度が高く、背隆起の形成における雄性ホルモンの関与が示唆されました。