
はじめに 海藻のうち、コンブやワカメなどが属する褐藻類には、ねばねばの多糖類としてラミナラン、フコイダンやアルギン酸などが含まれています。これらの多糖類は様々な機能が既に報告されており、ヒトに良い働きをする成分と知られています。しかし、「じゃ、これらの多糖類は海藻の中にどれだけ入っているの?」となりますが、簡単にどれだけ入っているのかをはかる方法がありません。これはフコイダンが複雑な構造をしており、海藻の種類によって化学的に異なるフコイダンが入っているのも一因です。
研究の目的 そこで、海藻からラミナラン、フコイダンやアルギン酸をそれぞれ取り出し、簡単に量を測定する方法を新たに開発しています。この方法は、安価な測定機器を使うことで、どこでも用いることができる測定方法の確立を目指しています。
研究方法 褐藻からラミナラン、フコイダンやアルギン酸を単独で取り出すことは困難なので、海藻から多糖混合物を抽出してから、簡単にそれぞれの多糖類を分別する方法を検討しました。続いてそれぞれ分離した多糖画分中の多糖類の量を簡単に測定する方法の開発をしています。
研究結果 その過程で、イオン交換法で簡単に多糖類を分ける方法を確立しました。現在それぞれ分離した画分中の多糖類を簡単に測定する方法の確立のための研究を行っています。
多糖類の機能を研究するのではないので、脚光は浴びないが、無くてはならない重要な方法の確立を目指しています。