章节大纲

    •  VMPSには複数のネットが取り付けられており、それらを順々に開くことでネットごとに異なる深度層の試料を採集します。ここでは、VMPSのネット開閉機構について説明します。

       まず、ネットの形状と網口開閉状態の模式図を図6に示します。VMPSのネットは正方形の網口を持つ4枚のプランクトンネットからなり、隣り合うネット同士は網口の一辺でつなぎ合わされています(図6-a)。1番目のネット(ネット1:赤色)が開いているとき、その他のネットは閉じた状態にあります(図6-b)。ネット同士のつなぎ目には金属製の棒であるネット開閉バー(以下、開閉バー)が挟み込まれています。開閉バーをスライドさせるとネット1の網口が閉じ、それと同時に次のネット(ネット2:緑色)の網口が開きます(図6-c)。


    • VMPS ネットの形状と網口開閉状態

      6 ネットの形状と網口開閉状態

      a)ネットの形状

      b)ネット1開状態

      c)ネット1閉状態(ネット2開状態)


    •  次に、開閉バーが駆動する仕組みを図7に基づいて説明します。開閉バーの両端は板バネに固定されています。開閉バーをトリガに固定すると、板バネは伸びた状態になります(図7-a)。トリガが作動すると、板バネの縮む力によって開閉バーがスライドします(図7-b)。


    • VMPS ネット開閉バーと板バネ

      7 ネット開閉バーの位置と板バネの伸縮状態

      a)トリガ作動前 b)トリガ作動後


    •  最後に、ネットを開閉させるトリガの仕組みを図8に示します。開閉バーの中央には固定用ワイヤが接続されています。固定用ワイヤ先端の金属球を掛け金の切り欠き部にひっかけて開閉バーを固定します。(図8-a)。掛け金はトリガフックとかみ合わせることで固定されます(図8-b)。水中局が船上局からの開閉信号を受けとるとトリガ用モータが作動し、カムが回転します。カムの動きによってトリガフックが解除されると掛け金が跳ね上がって固定用ワイヤが外れ(図8-c)、結果としてネットが開閉します。


    • VMPS トリガの仕組み

      8 ネット開閉トリガの仕組み

      a)ネット開閉バーの固定状態

      b)トリガのセット状態

      c)トリガ解除時の動き