海洋には数多くの渦(海洋中規模渦)が存在し、海洋生態系に大きな影響を与えています。以下の図は、衛星によって観測された海面における植物プランクトン濃度(正確にはクロロフィルa濃度)です。図から、沿岸域・亜寒帯海域で植物プランクトンが豊富であり、外洋域亜熱帯海域で植物プランクトン濃度が低いことが見て取れます。沿岸・外洋、南北の他に、植物プランクトン濃度に影響を与えていると考えられる渦状の構造が複数見られます(例えば、北海道南東沖)。これらは海洋中規模渦と呼ばれ、渦内・縁辺部の栄養塩の鉛直・水平輸送によって、活発な生物生産が行われていると考えられています。
