セクションアウトライン

    •  MOHTの構成図を図2に示します。正方形の金属製フレームに黒色のトロール網が固定されています。トロール網は高速(~4ノット≒秒速2メートル)での曳網に耐えうるよう、強度の高い合成繊維の網地で造られています。フレームの左右にとりつけられた姿勢制御板からそれぞれ2本、合計4本の同じ長さのワイヤロープをたらし、その先に潜行板を吊り下げます。フレームの上部に耐圧性のフロート(浮子)を取り付けることで浮力を与え、自重が網の深度に与える影響を低減させます。フレームの左右にブライドルワイヤを接続し、その先端を巻上機のワイヤロープ(メインワイヤ)で引っ張って網を曳航します。採集された試料が溜まる網の最後部(コッドエンド)には着脱可能なバケットが装着されています。網口を通過した海水の量を求めるため、フレームの内側にろ水計を取り付けます。


    • MOHT Configurations

      図2 MOHT 構成図


    •  潜行板の形状と曳網時の姿勢を図3に示します。潜行板はV字状をした金属製の板であり、より強い潜行力が生じるように下側が凸の曲面になっています。最も効果的に潜行力を生じる角度(20°)に潜行板が保たれるよう、姿勢制御板への接続位置が最適化されています。潜行板が水流を受けるとその速さに応じた大きさの下方向への力(潜行力)が生じ、高速曳網時における網の上昇を防ぐ効果が得られます。


    • MOHT 潜行板

      3 潜行板

      a) 前面図 b)側面図 c)曳網時の潜行板の姿勢(側面図)