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    • 視床下部ー下垂体系:視床下部は間脳の一部であり、下垂体の上方に位置して自律神経系の中枢として機能する他に、下垂体機能を調節する。視床下部には神経ホルモンを分泌する神経分泌細胞が存在し、真骨魚類の神経分泌細胞軸索は下垂体に直接入り込み、下垂体ホルモンの分泌を調節する。下垂体においては、様々なタンパク質ホルモン(成長ホルモン、プロラクチン、ソマトラクチン、黒色素胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、生殖腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど)が合成され、血液中に放出されて、末梢の標的器官(例えば、生殖腺刺激ホルモン→生殖腺)に作用する。

      卵巣・卵濾胞・卵母細胞:魚類の雌の生殖腺は卵巣と呼ばれ、多くの場合左右一対で、背部体腔壁から卵巣間膜により懸垂されている。卵巣の内部は卵巣薄板で構成され、そこに多数の卵ろ胞が存在する。卵ろ胞はろ胞組織と卵母細胞からなる。卵母細胞は卵成長期・卵成熟期を経て排卵され卵となり、精子との受精に至る。

      性ステロイドホルモン:生殖腺では性ステロイドホルモンをはじめとして、様々なホルモンが作られる。性ステロイドホルモンは、コレステロールを前駆体として合成され、卵巣で作られるものは雌性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)、精巣で作られるものは雄性ホルモン(アンドロジェン)と呼ぶ。狭義では、エストロゲンを雌性ホルモンと同義とする場合もある。魚類のエストロゲンの代表的なものはエストラジオール17β(略称E2)であり、雌の肝臓に作用して卵黄タンパク前駆物質であるビテロジェニンの合成を促進する。

      さらに詳しくは引用文献参照

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