- 水深500-1000
mに分布する粒子食性カイアシ類の生活史には明確な季節性があり、その主要産卵期は表層で植物プランクトンブルーム(大増殖)がある季節に一致していた。
- 深海性種の主産卵期が表層の植物プランクトンブルームと一致していたのは、深海への沈降粒子供給量が、表層の植物プランクトンブルーム期に多いことの反映と考えられた。
- 今回対象とした深海性種(Gaetanus
variabilis)は雌雄で発育速度が異なり、雌は親成体の状態で長い時間を過ごしていた。
- 雌が親成体の状態で長い時間を過ごすのは、表層からの沈降粒子増加に応じて、速やかに再生産に移れる点で有利な生活史戦略であると考えられる。
- 西部北太平洋亜寒帯域において、カラヌス目カイアシ類は水柱内の沈降粒子の32%を消費すると推定された。