單元大綱

    •  アルカリ度とは、海水中の強電解質の陽イオンと陰イオンの電荷量の差で定義され、海水が電気的に中性を保つため弱電解質(主に炭酸系イオン)が海水に補われます。

       どのようにして、アルカリ度が生じるのでしょうか。以下に、アルカリ度の成因を説明する絵を示します。

       地表面に露出した鉱物(玄武岩質や炭酸塩岩)は雨水と接触します。雨水には炭酸が含まれるので、下の「Weathering(風化)」で囲った反応式により鉱物成分が溶解します。このカルシウムイオン(Ca2+)を溶かし込んだ河川水が海に供給されます。海では、有孔虫(coccolith)などが、炭酸水素イオン(HCO3-)とCa2+を吸収して炭酸カルシウム(CaCO3)の殻を形成し、海底に堆積させます。海では、鉱物の風化によるCa2+の供給と、海洋生物によるCaCO3形成がバランスしています。そのため、海では、カルシウムイオンがやや過剰な状態が保たれています。これが、アルカリ度の成因です。