章节大纲

    •  ヒスタミン食中毒は,食品中に大量に蓄積したヒスタミンを摂取することにより発生する食中毒です。ヒスタミンは,ヒスタミン産生菌の持つヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスチジンから産生されます。そのため,ヒスタミン食中毒は遊離ヒスチジン含量の高い赤身魚(マグロ,カツオ,サバ,イワシ,サンマ等)の魚肉に多い食中毒です。ヒスタミン食中毒の症状は蕁麻疹や吐き気などのアレルギー様症状であり,日本ではアレルギー様食中毒と呼ばれてきました。ヒスタミンは加熱に安定であるため,一度ヒスタミンが蓄積してしまえば,加熱調理を経た食品においても食中毒が発生する可能性があります。