音響計測機器による漁場調査
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超音波を用いて海中の魚の位置を特定する装置を魚群探知機と言います。魚群探知機を使って魚群の位置を把握しながら、その位置で網を曳くことができれば効率的に試料を採取することができます。また、トロール網をより確実かつ安全に海底面上で曳くには、調査海域の水深や海底の起伏を音響測深機で詳細に捉えることが求められます。
図12 漁場調査に利用される音響計測機器
a) スキャニングソナー:全周囲に向けて超音波を発信し、海中からの反射波を捉えることによって面的に魚群を探知します。音波ビームの角度(俯角)を変えることで、探知範囲を調節することができます。 b) 計量魚群探知機:魚群から帰ってくる音波(エコー)の強さや個数などを計測・記録し、魚群の特性を定量的に評価できるようにしたものを計量魚群探知機といいます。計量魚群探知機の計測結果は、どの深さからどれくらいの反射の強さのエコーが返ってきたかを色分けして表示した「エコーグラム」として画像出力されます。 c) マルチナロービーム測深機:指向性の高い複数の音波ビームを扇状に発信し、広い範囲の水深を計測します。海底の起伏を三次元的に描き出すことから、海底地形探査装置とも呼ばれます。