・ピストンコアラー
ピストンコアラ―は重力自由落下式の採泥器で、メインウェイトの下に接続した金属製の筒を海底に突き刺して海底下数mから最大20メートル程度の堆積物を円柱状に採取します。このタイプの採泥器の中では最も深くまで採泥することができ、採取された試料を用いて数百年から数十万年前の地球環境を推定できます。
ピストンコアラーの観測作業手順は次のようになります。まず、天秤式のトリガーにピストンコアラ―本体を接続し、海底付近までウインチを使って降下させます。海底にパイロットウェイトが接触するとトリガーが作働して採泥器が自由落下し、その勢いと自重により海底に貫入します。貫入時に筒中をピストンが上昇することで陰圧が生じ、スムーズに深くまで採泥器を貫入させるのがピストンコアラ―の特徴です。さらにその陰圧がパイプ下部からの試料の流失を防ぎます(図2)。
一方、採泥器を海底に突き刺す時に堆積物表層の試料を攪乱してしまうので、パイロットウェイトに小型のコアラーを使用して堆積物表層を別に採取する方法があります。

図2 ピストンコアラーとピストンコアラー概略図
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ピストンコアラー」