섹션 개요

    • 担当教員:藤森康澄


    • 人間の経済活動は海,陸に関わらず環境に影響を与えています。特に,漁業は生物資源を直接利用するため,その資源の持続性はいうまでもなく,それを取り巻く生態系にも影響を与え,さらに,漁具の利用は環境に直接的な影響を与えます。そのため,我々が将来にわたり漁業活動を継続していくためには,漁業資源の管理・保全だけでなく関連する生態系および環境への影響を考慮し,可能な限り人為的インパクトを抑えるための方法や技術を発展させていく必要があります。また,我々と同様に海の生物資源を利用する高次動物は,地域によっては我々と競合関係にあり,それらの地域では競合する動物とうまく共存していくための方法を見出していかなければなりません。

      この講義では,こうした事例とその対策手法や技術について紹介していきます。



    • サケ定置網におけるアザラシによる食害・アザラシ混獲の防止対策

      ここでは一例として,海獣類が生息する北海道での漁業と動物との競合が問題となっているサケ定置網におけるアザラシ混獲・漁業被害での対策事例を紹介します。

      北海道では、海獣類による漁業被害(漁獲物の食害、漁網の破損など)が非常に深刻となっており、平成27年度の被害金額はおよそ23億7千万円にのぼっています。被害を与える主な海獣の種類は海域で異なっており、日本海側、オホーツク海側ではトドによる被害が多く、太平洋側ではアザラシ(主にゼニガタアザラシ)による被害が多くを占めています。ゼニガタアザラシは、唯一この海域の沿岸に周年生息して繁殖しています。このため、生息地域付近の沿岸で営まれる漁業では、ゼニガタアザラシによる漁業被害が顕著であり、漁業者は頭を悩ませています。こうした状況を背景に、地域の漁業者とアザラシの共存を目指して,環境省と協力してゼニガタアザラシの混獲・漁業被害の低減に取り組んでいます。これまでに、サケ定置網におけるアザラシの混獲および食害防止を目的として、その魚捕り部入口に装着するためのロープ格子を設計し,その効果をモニタリングしています。現在は,試験としてだけではなく,地域の漁業者にも普及してきており,アザラシの出現状況に応じて使用されるようになってきています。