北海道大学大学院水産科学研究院 山村 織生
サケ属8魚種は北太平洋を舞台に種分化し、亜寒帯海域の「覇者」として君臨してきました。もともと河川で生活史を完結していたサケ類の祖先はなぜ海洋を利用するようになったのでしょう?その答への鍵は、寒冷な気候のもとでの両生息場所の生産性の違いにあります。本講では、サケ属魚類が海洋の生産力をどのように利用し、生態系の構成員としてどのような地位(ニッチ)を占めているのか、そして気候変動の影響をどのように受けているかを概説します。
画像のご提供:Pacific Salmon Commission